『生物と無生物のあいだ』 福岡伸一

 分子生物学者が生命とは何かを問うお話。
 こうかくと堅苦しい小難しい本に聴こえるが、めちゃ面白い。

4061498916生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)
福岡 伸一
講談社 2007-05-18



 小説とかそんな感じのものを読んでる気分になる。とにかく文章が美しい。こういう科学者がこれほどの文章力、表現力を持っていると最強に違いない。国家の品格の藤原正彦氏も数学者だけど読みやすい文章を書く人だ。そういやファインマンさんも物理学者か。にしても、この人の文章は美しい。文学的なのだ。マンハッタンの周囲を廻る遊覧船の記述から「ものがたり」は始まる。始まり方からしゃれてるし、引き込まれる。枕がうますぎなのだ。プロローグからエピローグまできれいにまとまっていて、全部読み終わった後にプロローグを読むと、これが要約だったんだと気付いた。極上のミステリーを読んでいるような気分にさせてくれた。新書サイズの中ではずば抜けた本だった。

 中盤までは生物をどのように定義するかという主題を通して、DNA発見の歴史に見られる人間模様を解説。終盤は著者の研究を通して細胞が織り成す不思議な事象、生命の不思議をミクロな世界から解説してくれる。なんか最後は手塚治虫の『火の鳥』につながるようなイメージで感動的だった(尻切れトンボっぽくもある終わりかただけど)。エピローグがこれまた美しくてよかった。うん、実はエピローグが一番こころに響いたかも。

以下はメモ
 ・ウイルスが生物ではないとすると自己複製するものが生物という定義は成り立たなくなる。
 ・オズワルド・エイブリー アンサング・ヒーロー
 ・ワトソンとクリック
 ・ロザリンド・フランクリン  X線解析
 ・ウィルキンズ
 ・シュレーティンガー "What is life?"(1944) 『生命とは何か』(岩波新書)(1951)
 ・生命とは動的平衡(ダイナミック・イクイリブリアム)にある流れである
 ・GP2ノックアウトマウス
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by vamos_tokyo11 | 2009-01-29 23:26 |


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