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『スパイと公安警察』 泉修三

 「成毛真ブログ」で紹介されていて気になり読んでみた。

4862381227スパイと公安警察-ある公安警部の30年
泉修三
バジリコ 2009-01-07


 成毛真さんは『本は10冊同時に読め!』の著者でマイクロソフト日本法人の元社長。ブログの方はだいぶ前から読んでるのだが結構面白い本が紹介されていた楽しい。最近ホリエモンがブログでやたら引用してる。

 で、紹介されていたこの本だが、これは面白かった!最近つまらない経済関連の本が多かった(笑)ので、この本の面白さは一際だった。派出所勤務を振り出しに、公安に転勤し昭和の極右とか極左とかの事件や、ソ連や北朝鮮のスパイなんかを相手に尾行したり張り込みしたりという話がリアリティ溢れる描写で面白い。また北朝鮮の拉致事件に絡んで、「土台」と言われ在日朝鮮人スパイが活躍したのだろうというような記述があったり、驚くような記述も多く見られる。

 文章自体が軽妙洒脱で面白いことに加えて、この人のちょっと突き抜けたような性格から来る個人史的な話も深くて、最後はとても感情移入できた。5時過ぎて残業になったら自席でウイスキーを飲みながら仕事をし、「アル中だから病院に行け」と言われてむかついた(超要約)などの普通じゃない性格・人柄が出てくる。ちょっとこれには引いたのだが、仕事に対する真摯な姿勢とか熱いものを感じさせてくれるし、何より警察でやってた国を守るという仕事を愛していることが伝わってくるし、正義感というものが伝わってくる。今も日夜頑張っている警察官に対してのエールも感じられた。ごちゃ混ぜ感満載のいろいろと面白い本だった。

 巻末にあるプロフィールを見たら生まれ年が自分の父親と同じ年だった。読んだ後には、長生きしてこれからの人生を楽しんでくださいと思わずにいられなくなった。
by vamos_tokyo11 | 2009-03-28 01:48 |


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