『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』 町山智浩

 過激なアメリカ批判本。でも著者はアメリカに住み続けてる人。

4163707506アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない (Bunshun Paperbacks)
町山 智浩
文藝春秋 2008-10-09



 『ルポ 貧困大国アメリカ』と対で読むとアメリカの現状がよくわかる。しかしこの本はかなり偏っている。負の側面のみをクローズアップしているので、冷静に読まなければならない。

 序章 アメリカ人の半分はニューヨークを知らない
 第一章 暴走する宗教
 第二章 デタラメな戦争
 第三章 バブル経済と格差社会
 第四章 腐った政治
 第五章 ウソだらけのメディア
 第六章 アメリカを救うのは誰か
 終章 アメリカの時代は終わるのか





 第一章:暴走する宗教ではブッシュ政権を支えたとされるキリスト教右派(福音派)とインチキ伝道師の事件の数々が載っている。笑っちゃうくらいひどいし、ほんとかよ!?と思わずにいられないくらい馬鹿なことをやっている。アメリカは貧富の差だけじゃなくて、それに付随した教育程度の差がとてつもなく激しいということがよくわかる。やってることはイスラム原理主義となんら変わらないし、結局原理主義ってのはこういうもんなのだろうなという感じ。

 第三章ではウォルマートのネタが出てくるがこれはおなじみ。『暴走する資本主義』でも出てきていたので理解しやすかった。先の本よりもより具体的に、社員がどれほど貧しいかよくわかる実例が挙げられている。週に6日間フルタイムで働いているのに生活保護が必要な従業員が8%もいるらしい。これは日本でいうところの派遣扱いなのかもしれないが、それにしてもフルタイムでこれはすごい。これは一例でこういった話がいろんな映画を題材にして語られている(著者は映画評論家らしい)。

 終章ではアメリカは血の入れ替え(移民の受け入れ)が盛んだから希望がないわけではないとしている。よく言われていることではあるが250ページのほとんどで悪いことが書かれていて、2ページ程度希望が書かれていても「ほんとかなぁ」と疑念を持たずにいられなかった。アメリカに対して好きになれない自分のような人間は、これを読むとますますアメリカを胡散臭く思ってしまうこと間違いなし。

 最近読んだいくつかの本が複合的につながったおかげでアメリカの現状などについて理解がしやすかった。そういえばアメリカの良い面についての本は読んだ記憶がない。今度はそういう本を読んでみたい。
[PR]
by vamos_tokyo11 | 2009-05-06 22:43 |


<< 第11節 FC東京×京都 勝ち... 第10節 広島×FC東京 ダイ... >>