『21世紀の国富論』 原丈人

 ずーっと読んでみたくてやっと読んだ本。なかなかよかった。

458283357821世紀の国富論
平凡社 2007-06-21



 あけましておめでとうございます。
 今年もマイペースで時間のあるときに気ままにブログを続けていきたいと思います。


 本の内容はアダムスミスの国富論とは全く関連なし。日本が将来的に景気がよく、雇用が満たされ、世界中から必要とされ、尊敬される国になるにはどうしたらいいか、ということを著者が具体的に考えていることが書かれている。

 本全体を通じて感じることは志の高さと、それを実現しようとして一貫してトライし続ける意志の強さ。サラッと書かれていることが多いのだが、著者のやってきたこと、やっていること、これからやろうとしていることは、常人(私のこと)では考えられないような粘り強さと信念の賜物なのだろう。

 「ほぼ日」でも著者のインタビューがたっぷり載っているので、合わせて読むと理解がより深まる。
http://www.1101.com/hara/
http://www.1101.com/hara/first/index.html
http://www.1101.com/hara/second/index.html
http://www.1101.com/hara/third/2008-10-20.html

 以下、本から印象深い箇所のメモ





P110 インデックス・ファブリック(IFX)理論
    検索アルゴリズム「パトリシア」
    こちらにまとめられてた。
   http://d.hatena.ne.jp/aidiary/20070909/1189335747

P158 フラットな組織
中小企業において縦割り組織は論外。XVD(著者が立て直した企業)では社長の周囲を円形に取り囲むイメージ
 →自分の仕事上で部下育成の参考になりそう。
(要約)
 特徴は各部門が他部門の状況を理解し、コミュニケーションを行いながら能動的に助け合うところにある。週一の執行役員会議では、各部門長が順番に議長の役割を受け持つ。その部門長は、前もって他の部門をまわり、現状のヒアリングをしなければならない。これを続けることで、他部門への理解を深めた上で自部門の仕事を遂行するようになった彼らのメンタリティは徐々に社長のそれに近いものになっていく。意識の上で、社長と従業員がもっていたギャップが埋められていく。

P193 途上国援助の実態
 途上国が貧しいままである理由はさまざまだが、お金を与えるのではなく、お金の稼ぎ方を教えなければならない、というのはよく聞く話。つまり援助のメカニズムに問題があるということ。魚を与えるのではなく、魚の獲り方を教えるということだが「言うは易く行うは難し」だ。が、しかし著者はバングラデシュにおいて実際に解決を試みているのがすごいところ。しかも自分たち自身も儲かる仕組みとして成立させようとしている。

P201 世界最大のNGO BRAC(バングラデシュ)
 NGOとは何かということがわかっていなかったのだが、この本に出てくるBRACを通してなんとなくその特徴のひとつが理解できた。儲けること、それ自体は普通の会社と同じようにできる。ただ、その儲けたお金を株主へ配当を出す必要がないというのが大きな違い。その内部留保をそのままNGOの目的に再投資できる。これがNGOと組む最大の理由でもあるということ。

P205 手段と目的の取り違えが、現在の資本主義における最大の欠点
 ROEはその例として挙げられている。理念を忘れ数字が目的化している。

 この本を通じて一貫して述べられているのはアメリカ型の行き過ぎた資本主義ではなく、日本が世界に模範となる日本型の優れた資本主義を作り出せばよいということ。資本主義に対する著者の一貫した姿勢に好感が持てる。
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by vamos_tokyo11 | 2010-01-01 02:11 |


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