『若き数学者のアメリカ』 藤原正彦

 「品格」おじさんの若者のころの本

410124801X若き数学者のアメリカ (新潮文庫)
新潮社 1981-06



 エッセイ風の読み物ですいすい楽しく読めた。著者が初めてアメリカの大学で講師として働き研究することになったときの気持などが赤裸々に記されていて面白かった。

 留学先へ行く途中に寄ったハワイで真珠湾のツアーに参加したら周りが全員アメリカ人で肩身の狭い思いをしたが、ある船の説明で「幸運にして爆撃を逃れた」のアナウンスに「unfortunately(不幸にも)」とつぶやいて言い換えてみたり、外国にいるからこそ強烈に日本人としての思いが湧きあがってくる箇所が印象的だった。

 他にも、ストーリキングをするのが流行ったときに、学生が学校で一斉にやろうと呼び掛けて実際に何百人も裸になって祭りになったとき、講師だった著者はそれを自制したけれど、結局どうしてもやりたくなって自宅に戻ってから裸で公園を走ってみたとか、事実だけ書くと「ただのネタ仕込だろw」と思わなくもないけれど、そのときの気持ちや、そのときに公園にたまたまやってきた裸のカップルと合流したりするのことの描写がおかしくも、なんだか青春だなぁと変態行為の話なのにほんわかさせられた(これだけ読むと俺が変なのかと思われそうだけど、事実うまいこと書かれているから不思議だ)。

 著者の本は『国家の品格』しか知らなかったけど、実家にたまたまこの本があったので読んでみたら面白かった。一気に読ませて、さらにそう快感もあったりす。子どもはまず日本語を勉強せい!というだけあってさすがに文章がうまいです。
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by vamos_tokyo11 | 2010-02-09 23:02 |


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