『ライト、ついてますか』 ドナルド・C・ゴース

 古典。ベストセラー。やっと読んだ。

4320023684ライト、ついてますか―問題発見の人間学
木村 泉
共立出版 1987-10



 以前から読まねば読まねばと思っていた本をようやく読んだ。

 事が起こると人はすぐに解決策を考えてああだこうだ言ってしまうが、本当は何が問題であるのかをまずしっかり考えないといかんぜよ、というのがこの本の趣旨。ということをどこかで読んでてこの本を読んだが、ところがどっこい、そんな単純な説教じみた本でなかった。そこがこの本の面白かったところ。

 例示がユニークでたくさん出てくるし、真摯に向き合うことが大事な話もあれば、ひらりマントでかわすがごとく、うまいことやろうぜ見たいな話が出てきてなかなか面白かった。たまに冗談かもしれないようなことが書いてあってどう解釈していいか困っちゃうようなところもあるが、そこは自分で適当に自由に読みとればよい。「SEの若手は読んだ方が良い」みたいな書評を見たことがあるが、別にSEじゃなくても面白いしためになると思う。仕事だけじゃなくて普段の生活の中でも知っておいてよいことが書かれている。

 以下メモ。




p46 
 正しい問題定義が得られたという確信は決して得られない。
 だがその核心を得ようとする努力は、決してやめてはいけない。

 これ、何度も前後を含めて読み直して理解しようとしたがイマイチわからなかった。とにかく前に進もうとすることが大事だ、なんていう哲学的なことを言っているのかな、とか思ったが、今日(4/9)読み終わった『ブラックスワン』の考え方を参考にすると、なんとなく理解できた気がする。「分かったこと」が正しいと思ってはいけない。しかし、良い「黒い白鳥」を得るためには試行錯誤を何度も繰り返さなければならない、というあれだ(『ブラックスワン』の話はまた別途)。


p65
 新しい視点は必ず新しい不適合を作り出す。

 まさにその通り。物事にはいろんな側面があるからね。


p77
 問題が言葉の形になったら、それがみんなの頭に入るまで言葉をもて遊んでみよう。

 物事を言葉で定義しようとしてミスリードが発生することはしょっちゅうある。そしてそのトラブルの原因はコミュニケーション不足の一言で語られることがあるが、これはそれを防ぐための標語だ。言葉はいろんな意味を持つ。また言葉で語られなかった自明と思われる部分が人によって解釈が異なる場合がある。あぁ、よくある話だ。


p103
 ライト、ついてますか?

 問題を解くのに最も有効な方法を表している。シンプルな答えはよく考えないと出てこない。シンプルとは単純という意味ではない。シンプルで効果の高いものを作り出すには計算しつくさなければならないし、その答えは洗練されたものになる。


p118
 問題の出所はもっとしばしばわれわれ自信の中にある

 これは痛い。すべての人間関係にあてはまる。理解できてもまたどこかでやってしまうというやつだ。(ガチガチにルール通り運用しようとする入国検査官に対して「ロボットみたいな灰色な官僚野郎」と接触するのではなく、ひとりの人間として接触すれば問題は意外な方向へ進むという話)


第6部 われわれはそれを本当に解きたいか?

 問題を解決することに躍起になって負荷を掛けているとして、実はその問題の答えがほしくもない役にも立たないことだとしたらどうよ?ということ。解くだけの価値のあるものを解かないと無駄だ。つまり問題にも重要なものとそうじゃないものがあるのだということ。
[PR]
by vamos_tokyo11 | 2010-05-26 23:20 |


<< 5/27 デンマーク×セネガル... 日本×韓国 火事場の馬鹿力は出るか >>