『石橋を叩けば渡れない』 西堀栄三郎

 私が生まれた年に出版された、日本で初めて南極越冬した隊長の本。

4820116541石橋を叩けば渡れない
西堀 栄三郎
生産性出版 1999-04



 今、コーチングとか教え方とか部下をどう育てるかとか、そういう本がいろいろあるけれども、コーチングなんて言葉がなかったであろう時代に、すでに立派にこういった本があったということがわかった。これはまさにコーチングの本であるし、仕事や生き方が楽しく明るくなる本だと思う。そういう意味では『大人げない大人になれ!』と似てるかもしれない。

 講演で話したことを本にまとめているので、体系だてられていないのだけれども、話言葉だけにスイスイ読めるし、コラムの集合体みたいでちょっとずつ読むことでも繋がっていく。

 あとはメモ。気になる言葉など。




p4 人間は経験を積むために生まれてきたんや

 人間は生きてる限り少しずつ成長していくものだし、だからこそ日々少しずつ新しいことを学んでいけるし、そうあるべきだ、と思っている自分の考えにぴったり合致した。発想の転換で戦争への出征をも前向きに捉えてしまうところが、この考え方の真骨頂。


p14 はじめから役に立つ研究なんてあるだろうか
p17 科学と技術は全く違う

 科学とは本来目的なく役に立つことも考えずに研究するものだが、それに対して何のために研究しているのだと文句を言うのはおかしいという話。研究によって発見された知識を世のため人のために利用可能にするのが技術だということ。いわゆる基礎研究が大事だということが言われるわけだけど、ここで言ってることも同じことだろう。技術者でもあった人からこういわれると説得力があるし、昨今の仕分をしてる人たちは科学がなんたるかということは分からずにやってる面もあるんだろな。一概にあれがダメだと言えないところもあって難しいが。そういえば先月の『私の履歴書』(2008年にノーベル化学賞を受賞された下村脩(しもむらおさむ)さん)でも基礎研究の大切さが書かれていた。


p41 石橋を叩けば渡れない
p50 完全無欠な準備や計画はありえない
p51 あわてふためかないためには「思いもよらないことが必ず起こる」と覚悟していること
  「準備というのは必ず不完全なんものなり」と思っていること

p91 他人の個性を変えることはできない
p95 個性は変えられないが、変えられるものがある-それは能力


p100 働く人には考える余裕を
 これはできてる。それが最も生産性を上げると信じて実践している。

p161 調子に乗らせなければだめ

p195 「勇気」は「自信」に先行する
   勇気とは思いきって決行する気迫。

だいぶ前にメモっておいたものだけど、読み直してちょっと元気がでた。
あしたも頑張ろう。
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by vamos_tokyo11 | 2010-08-05 23:57 |


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