『怖い絵3』 中野京子

 『怖い絵』第3弾であり、シリーズ完結編。

4255004803怖い絵3
中野 京子
朝日出版社 2009-05-28



 相変わらず面白かった。で、絵を見に行きたくなる。ヨーロッパに行かなければ見れない絵がほとんどだけど、ほんと旅行に行きたくなるなぁ。ロンドン在住者がうらやましくなる(笑)。とかいいながら、日本にやってくる展覧会にすら行ってませんが。

 知らない絵の方が多いが、知らない絵でもその絵の背景を説明してくれるのはこれまでと同じ構成。見るからに怖い絵もあれば、怖くない絵もあり、その怖くない絵がなぜ「怖い絵」であるかを説明してくれるのがこのシリーズ。絵が描かれた時代背景、画家が描いた時の心理状態や、そのように描いた理由を丹念に説明してくれるので読み物として楽しめる。著者は最近ではNHKの番組で絵の説明をしてたりして名前が売れてきたようだ。

 印象に残ったのは『死と乙女』。このお題の絵は昔から多数あるらしいが、通常はおどろおどろしい死神が女性にまとわりついて、女性が悲惨な表情をしている、というスタイルのようだが、この絵は逆に死神の方が目がうつろで、女性の方はすべてを受け入れて安らかな表情をしている。ではなぜそういう描写なのか。時代背景と画家の生い立ちや当時の生活状態から細かく説明してくれていて非常に面白かった。その他に楽しく読める題材が多数。絵が好きな人にはおすすめ。




目次。

作品1 ボッティチェリ『ヴィーナスの誕生』
作品2 レーピン『皇女ソフィア』
作品3 伝レーニ『ベアトリーチェ・チェンチ』
作品4 ヨルダーンス『豆の王様』
作品5 ルーベンス『メドゥーサの首』
作品6 シーレ『死と乙女』
作品7 伝ブリューゲル『イカロスの墜落』
作品8 ベラスケス『フェリペ・プロスペロ王子』
作品9 ミケランジェロ『聖家族』
作品10 ドラクロワ『怒れるメディア』
作品11 ゴヤ『マドリッド、一八〇八年五月三日』
作品12 レッドグレイヴ『かわいそうな先生』
作品13 レオナルド・ダ・ヴィンチ『聖アンナと聖母子』
作品14 フーケ『ムーランの聖母子』
作品15 ベックリン『ケンタウロスの闘い』
作品16 ホガース『ジン横丁』
作品17 ゲインズバラ『アンドリューズ夫妻』
作品18 アミゴーニ『ファリネッリと友人たち』
作品19 アンソール『仮面にかこまれた自画像』
作品20 フュースリ『夢魔』
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by vamos_tokyo11 | 2010-08-20 23:12 |


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