『フリー』 クリス・アンダーソン

 話題の書。ようやく読んだ。(実は読み終わったのもこれを書いたのも7月下旬・・・)

4140814047フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略
クリス・アンダーソン 小林弘人
日本放送出版協会 2009-11-21



 おもしろかったし、フリーの世界(タダのもの)が整理して理解できた。今後も、「デジタルのものはフリーになりたがる」という性質のもと、ますますフリーなものが増えていくだろうというのがこの本の推測。このあたりは実感としてよく理解できる。

 サッカーとwebの関係でもこのあたりは進行しているし、メディアの長い歴史の中で見れば、近年はかなりのスピードでフリーのビジネスモデルが現実のものとなっている。いきなり個人名を出してしまうが、もっとも顕著な例が宇都宮徹壱さんだと思っている。徹壱さんはスポナビに創設の頃からかかわっているそうだが、このフリーのメディアを経由して知名度を抜群に上げた。また自信のwebサイトも持っているし(現在は更新されていないと思う)、最近ではtwitterでこまめにつぶやくことでファン層を拡大しているのではないだろうか。もちろん元々持っているジャーナリストとしての資質も大きいし、中欧や天皇杯にスポットライトを当て、JFLや地域リーグを「発見」して深く切り込むという、フリーライターとしての生き方(=戦略の立て方)の勝利という側面も大きい。「フリー」を通して自信の感性を広くサッカーファンに理解してもらい、その結果を著書の売り上げにつなげていくというのはまさにこの本に謳われているビジネスモデルに他ならない。5・6年前だったか、徹壱さんに「ハードじゃなくてソフトにもお金を落としてくれ!」と酒の席で言われたことがあったが、そんな不満を吹き飛ばすような最近の活躍ぶりに「この人の戦略はすげーな」と思わされる今日この頃である。

 そういう意味でもサッカーファン(いつもwebを覗いているような人や、twitterをやってる人は特に)にこの本はおすすめ。

 以下はメモ。




p49 第3章 フリーの歴史
 モノの価格の説明がありわかりやすい。


p87 無料の魅力と恐怖を説明。たしかに書いてある通り!

(引用開始)
 『予想通りに不合理』ダン・アリエリー
 「何かが無料になるとわたしたちは悪い面を忘れ去り、無料!であることに感動して、提供されているものを実際よりずっと価値のあるものと思ってしまう。なぜだろう。それは、人間が失うことを本質的に恐れるからではないかと思う。無料!のほんとうの魅力は、恐れと結びついている。無料!のものを選べば、目に見えて何かを失うという心配はなし(なにしろ無料なのだ)。ところが無料でないものを選ぶと、まずい選択をしたかもしれないという危険性がどうしても残る。だから、どちらにするかと言われれば、無料のほうを選ぶ。」
(引用終わり)


p88 アメリカの靴の販売会社、ZAPPOS(ザッポス)
 返品するときの返送料も無料。
 会社側はたくさん注文して、いらないものだけ返品するというスタイルでいいから、どんどん注文してほしいのだが、返品をもうしわけないと思う消費者がまだまだたくさんいるのが困るということ。
 (この考え方の良し悪しはあるだろうが、こういうビジネスモデルも成り立つらしい)


p161 アメリカにはグーグルの電話番号案内というのがあるらしく、無料らしい。

第12章 非貨幣経済


p246-251 贈与経済の説明

(引用開始)
 「私たちが報酬なしでも喜んですることは、給料のための仕事以上に私たちを幸せにしてくれる」
(引用終わり)

 まさにweb上にはこれがあふれている。
 自分がなぜブログを続けているのかということを説明してくれている。自分の書いてるものが人さまの役に立っているとはこれっぽっちも思っていないが、自分の周りのブログを読むと、まさに報酬なしで人のために喜んでやっていることだと思う(Jam8さんとかね!)。


p263 稀少・潤沢 の表がわかりやすい

(引用開始)
 「現実のマネジメントにおいては当然ながら、このふたつ(稀少と潤沢)の世界はそれほど明白に二分されているわけではない。分裂的と思われるかもしれないが、これこそが、私たちが足を踏み入れたハイブリッド世界の本質なのだ」
(引用終わり)


フリーミアムの説明などはこちらで。
http://www.freemium.jp/
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by vamos_tokyo11 | 2010-10-01 23:40 |


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