『ネット・バカ』 ニコラス・G・カー

 原題は「The Shallows What the Internet Is Doing to Our Brains」
 『クラウド化する世界』の著者の本

4791765559ネット・バカ インターネットがわたしたちの脳にしていること
ニコラス・G・カー (訳)篠儀直子
青土社 2010-07-23



 題名だけ見るとまるで『ウェブはバカと暇人のもの』みたいだが、内容はむしろ正反対。原題が本の趣旨を的確に表している。邦題には商業的なものを感じるが、これはカーが書いた「Is Google Making Us Stupid?」(グーグルでわれわれはバカになりつつあるのか?)という論文にヒントを得ているものらしい(訳者あとがき参照)。

 PCやケータイでとにかく四六時中ネットにつながっていないと不安になるような状態になった自分たち(というか特にこの人の場合はすごいみたい)の脳はどんなことになっちゃってるのか、ということを書いている。短い文章に大量アクセスしていると、本や論文、長い文章のブログが読めなくなってきてるよと書いてるくせに、分厚い本を書いてるところが笑っちゃうし、途中で読むのが苦痛になるのだが、そのことに関してもP271にコラムとして書かれていた。

 ネットやウェブのことというよりもウェブ生活がどういった影響を人間に与えるかという話に終始するので、テクノロジーの本というよりは脳に関する本になっている。記憶に関するメカニズムが解明されていく過程とか、まぁこれはこれで面白かった。でもちょっと長すぎるかな、というのが正直なところ。僕もカーと一緒の症状なのかもしれない。脳の働きや脳の働きが明らかになってきた歴史を子細に書いていて、その点ではまぁまぁ面白かったが、とりたてて面白いとか為になる本ではなかった。貴重な時間を割くにはちょっともったいないという評価。
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by vamos_tokyo11 | 2011-03-10 17:09 |


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