『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』 河合隼雄 村上春樹


4101001456村上春樹、河合隼雄に会いにいく (新潮文庫)
河合 隼雄 村上 春樹
新潮社 1998-12



 この本も、たしか『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』(橘玲)で引用されていた本で、それで興味を惹かれて読んでみようと思った本。なんで読もうと思ったのかは忘れてしまったが、とても興味深い本だった。

 当たり前のことなんだけれども、社会でというかサラリーマンとして日々過ごしていると忘れてしまうようなことがポツポツと出てきて掘り下げられている。たとえば、世の中のことに論理・理屈だけで答えられるわけがないんだけど、それだけで答えを出そうとしてたりする。自分は特に。でもそんなわけなくて、気持ちや心で答えて言ってあげる必要がある。自分自身に対しても。他にも小説家は何も目的があって書くわけじゃない、言いたいことがあるわけじゃない、というのは驚きだった。アメリカの大学で自分の本を題材にしているのに、「私はこういう解釈をする」と話して、学生に「あんたが書いたんだろう」と突っ込まれている話がおかしい。この本を読んでいると何でも金銭価値に換算して世の中のモノや事象を評価していることがいかにおかしいかということを思い出させてくれる。

 もうひとつ興味深かった話が、結婚は「井戸掘り」である、という話。理性だけで話し合うのだけではなく、「井戸」を掘らなければ駄目、と。あー、よくわかる。わかるけどできない、できていない(笑)。

 なんつーか、世の中で効率化とか仕事で成果を出すとか、そういうことに追い立てられてて、大事なことをちょっと忘れてるような気がした。会社とかで同じようなこと(資格取れだの、成果出せだの、コンプラがどうのだの)を言われてたり言ってたりするのも、ちょっとした宗教的もんと一緒だなぁ。コンプラとかって元来そういうもんじゃないはずなんだけど。。。

 いろんなことを感じさせてくれる本だった。あと、河合隼雄さんは河合雅雄さんの兄弟という認識しかなかったんだけど、この本ですごく気になった(どちらかというとモンキー博士の雅雄さんのほうが自分にとっては知ってる人だったので)。そのうち隼雄さんの本も読んでみたいと思う。
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by vamos_tokyo11 | 2011-09-16 23:22 |


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