人気ブログランキング | 話題のタグを見る

『2020年、日本が破綻する日』 小黒一正

45322609222020年、日本が破綻する日 (日経プレミアシリーズ)
小黒 一正
日本経済新聞出版社 2010-08-10



 経済学の難しい理論や計算式がたくさん出てくるので、キッチリ理解しようとすれば読むのに時間がかかりそうだった。なので、結論をピックアップしながら読み進めた。だから理論が正しいかどうかとかはさっぱりわからないし、自分なりの反論などは一切できないが、著者が問題だと考えていることや、これからどうすべきだという内容についてのみ理解した。

 2010年に書かれた時点でギリシャ危機のことが多数引用され、日本の問題もそれと変わらないんだぞ、とされている。ここにきてギリシャ問題が世界不況を引き起こしかねない状況になってきて、日本のきわどい財政状態について、空恐ろしくなってくる。(このメモは1ヶ月以上前に書いたのだが、今となってはイタリアが問題になってきている・・・)

 とにかく日本の財政状態はほんとにやばいんだよ、ということを本の中で説明し、それを解消するためにも消費税率を上げて歳入を増やしていかなければならず、並行して世代間格差を解消していく政策をとっていこう、というのがこの本の主張。ほんとに消費税率アップしかないのか、まったく検証する術も頭もない私にとっては苦々しい思いしかないのだが、この本ではこれを結論としている。それから世代間格差の解消について触れられているが、これは、現在の年金受給者と我々30代40代の間の格差が減るのではなく、今の若者やこれから生まれてくる子どもたちと我々現役世代との差を解消しておこう、というものだった(と理解した)。こちらも苦々しいのだが、つまり現在の老人(自分の両親世代以上)と我々現役世代とは、もうどうしたって支払いと受給の格差は埋められないということ。まぁ、現実的にわかってるし、だからこそ我々以下の世代はバブル世代のように消費に走らないのだと思う(お金持ちの人たちは知りませんが)。

 しかしまぁ、どうなるんだろう。他人事のように書いてしまうが、ほんとにどうすりゃいいのかわからないし、多くの人が私とおんなじように思ってるような気がする。今年2月の祖父の葬式のとき、遠い親戚の年寄りたちが「若い人たちは借金が増えて大変だなぁ。わしらはもう関係ないけどな」とか言いながら笑っているのを苦々しく聞いていたのを思い出した。
by vamos_tokyo11 | 2011-11-09 23:55 |


<< 『大震災の後で人生について語る... 『プロパガンダ』 アンソニー・... >>