『放射能汚染の現実を超えて』 小出裕章

4309245528放射能汚染の現実を超えて
小出 裕章
河出書房新社 2011-05-19



 1992年に刊行された本の再発行で3・11後に緊急で出されたもの。著者は『原発のウソ』などで3・11後に一躍時の人になった小出氏。

 この本はチェルノブイリ後に日本で放射性物質が避けられない現実を語り、今と同じく、原発の危険性を語っている。ここでもわかるのは多少過剰なところだ。事故周辺の人々が大量に即死していくというような語られ方。ただ、ほんとうに恐ろしいのは、3・4年経ってからの子どもたちへの影響で、ここで語られているようなガンだけじゃなくて、体調にいろいろと問題をきたすことだと思う。問題はこれから起こる。

 この本で改めて分かったのは半減期30年というセシウムは、結局のところ、自然界で循環し続けるということ。本の中では有機栽培の米に対して数値が高くなっていることが分かる(チェルノブイリ事故のあとの一部の米の話)。日本でも今年以降の農作物においてはこの放射性物質がどんどん循環していく。海に流れて拡散して薄まってもらうとしても、結局雨になって戻ってくるのでゼロにはならないし、魚にも溜まっていく。だからゼロにすることはできない。何も食べないで生きていくことはできないので、これらとうまく向き合っていくしかないのかと思う。今よりも来年、来年よりもその翌年、濃縮されていくかもしれないし、いずれにしてもとにかくずーっと付き合っていかなければならない問題だということが良く分かる。憂鬱になる。でもそれを現実として向かい合っていかなければならない。
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by vamos_tokyo11 | 2011-11-16 00:29 |


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