『とんび』 重松清

 今年読んだ本の中でNo.1

4043646070とんび (角川文庫)
重松 清
角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-10-25



 不器用な父親のための本を書きたかった、というのはあとがきにある言葉だが、たしかに不器用な父親だった。でもこの本はそれだけじゃなく家族の話だった。

 今年の夏、父親の初盆で夏休みをとって、そんときに本をピックアップするのにこれを手に取ったんだけど、まぁ、そういうのとも関係なくていい本だった。自分の父親のことを思い出しながら読むんだろうかと思ったわけなんだけど、意外にどちらかというと自分の子どものことを考えながら、自分がこれから子どもとどう関わっていくんだろう、みたいな感じで読んだ。きっと自分の父親が、この本に出てくる父”やしゃん”とはまた違った意味で不器用(というかほんとにつかみどころのない人だった)な父親だったからかもしれない。昭和の人ってそういうもんなのかもしれないけど。

 物語は息子が生まれて、それがどんどん成長して、と編年体で話が進むのだけど、いろいろ起こるわけです。通常に起こるようなイベントもあれば、おいおいと思うようなイベントもあったりして、それに対して”やしゃん”や周囲の人がどのように対応し、息子がどう育っていくかというお話。

 どんどん入り込めて、ぐっとくる話がたくさんあって、最後には心あたたまって本を閉じることができる。

 この本を夏に読んで、いまもう秋から冬にかかっているわけだけど、思い起こしてみれば、最初の頃は不器用極まりない”やしゃん”が最後は饒舌に誰よりも愛情について深く語っているのは、よく考えるとおかしな感じだな(笑)。でも読んでるときにはそんなことは一切気にならずにがーっと読める。ほんとにいい本。また時間が経ったら読み返してみたいと思う。

 NHKでドラマになってたのを知らなかった。こないだ再放送を見逃したのが残念・・・。
[PR]
by vamos_tokyo11 | 2012-11-03 02:10 |


<< 『日本人にしかできない「気づか... 第27節 FC東京×磐田 先へ... >>