『きみはなぜ働くか。』 渡邉美樹

4532195373きみはなぜ働くか。(日経ビジネス人文庫)
渡邉 美樹
日本経済新聞出版社 2010-04-02



 ワタミ社長時代に、社内向けに出していたメッセージを集めたもの。会社で読んだって人にどんなだったかを聞いたら渡されてしまったので読んだ。題名が働く意味を問うているように見えるのだが、社内向けメッセージ集なので社内の起こった事柄なんかがたくさん出てくる。

 最初のほうは割りといいこともたくさん書いてある。

 たとえばp32にあるナポレオン・ヒルの「目標の明確化」というもの。目標を立てたら、目標達成の理想形を何度も何度も頭にカラーで描き続けること、というのがある。『残念な人の思考法』にあったような記憶があるのだが、アイデアはいくら話しても良くて、他人に盗られる心配をしなくてもいい、なぜなら、結局アイデアを実行しなければ意味がないから、というのがあって、その話に通じると思った。まったくもって、考えが浮かんでもそれを実行するために、細かに筋道を立てて、実行していく能力(やる気や行動力・根性などをすべて含む)がなければ画餅にすぎない。それをここでは言いたいのだろう。「目標をカラーで描く」という表現はそれを的確に表していて気に入った。

 その一方で社長がそれ言って大丈夫なんかい?というのもある。たとえば「365日24時間、死ぬまで働け!」(p138)というものだ。別に言葉通りではなく、それくらいの気持ちで頑張れということだ、とあるのだが、社長をやってる人と、従業員のそれは違うだろう、同じ気持ちでやるのなら自分で社長やるだろう。この話の中で出てくるのが、夜勤明けでそのまま研修に行って、眠いだろうが頑張れ、みたいなのがありドン引きした。いや、それ無理でしょう。社員を育てる気が全くないといっても過言ではない。研修すら万全の体調で受けさせてもらえない会社ってなんなんだろう。普通そうなの?いや、違うだろう。びっくりした。この辺りからだんだん本の調子がおかしくなってくるのである。

 後半になってくると高校生のバイト向けのお説教のような話が出てきて(和民なのでバイトが多いのだ)、まぁ社会人としての心構えを話すのはあるだろう。でも俺にはまっっったく役に立たない。当たり前すぎる。レベルが低すぎるのだ。そんな感じの話が後半は増えてくるので。。。

 ただ、こういう社会人としての心構え的なことを言ってくれる(ビデオレターらしいが全バイトが見てる時間があるとは思えないけど)人がバイト先にいるとしたら、時給は別としていいバイト先だな、と思う。高校生や大学生がバイトするとき、お金だけじゃなくて働く意味とか目的を考えさせてくれるなんていいところだなと、自分がそういうところでバイトしたことなかったので思った。そんなわけで、本としては半分くらい良い、ということで。それにしても、この表紙、買いにくすぎるだろう。。
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by vamos_tokyo11 | 2012-12-24 00:55 |


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