久々に竹森本を読んだ(過去に読んだのは
『資本主義は嫌いですか』『1997年-世界を変えた金融危機』)。現在進行形のタイムリーな本。ユーロの現在の危機的な状況を、そもそも通貨ユーロが創設されたときからの構造的な問題であると、多数の論文を引用して解説している。
実に分かりやすく、しかも小説のような時間の流れの中で、最後にドイツだけが残ってしまったと結んでいる。題名といい、書き方といい過去の本と同様にうまいし面白い。説得力もある。(もひとつ言うと表紙もすごい)。著者はユーロは構造的な問題があり、さらにはドイツはユーロ圏をトランスファー同盟(イタリアの南北問題やドイツの東西問題を解決するときのような財政支援同盟)にはしたくないため、通貨としてのユーロは崩壊に向かうだろうと予測している。確かに本が書かれていた夏から秋にかけての様子ではそれも想定されたかもしれない。ただ年末の現在は少し良い方向に向かっている。
通貨ユーロが崩壊したとき、その影響は甚大だということが少しリアルにわかったので、ちょっと怖い。ユーロ圏から資産を引き上げなきゃ、と思うのだが塩漬け状態の投資信託でよその地域ともミックスされているからもうしょうがないな。。。