『「超」入門 失敗の本質』 鈴木博毅

『失敗の本質』の解説本。

4478016879「超」入門 失敗の本質 日本軍と現代日本に共通する23の組織的ジレンマ
鈴木 博毅
ダイヤモンド社 2012-04-06



 『失敗の本質』は読んだけれども、途中から苦痛になってほとんど斜め読みでよく分からんかった。けれども、この本はシンプルで非常に分かりやすい。でも分かりやすすぎて「ほんまかいな」と思ってしまう。こうなるとまた『失敗の本質』に戻らないとならないわけだな。。

 なんで今更これを読もうと思ったかというと、今(2014年の今時点も引き続き)携わってるプロジェクトが非常にやばい状態にあり、まさに「失敗」に向かってるんじゃないかと思わずにいられないので、これを読んで何かヒントがあれば、改善点があればなぁ、と思い手にとってみたというわけ。でも、この本で語られている問題点と今のプロジェクトの問題点はちょっと違っていたので、なんか結局そういう意味では役に立たなかった。

 この本で再三語られるのが、本部(大本営)が現場(前線)の状況を把握せずに無茶な指令を出して壊してしまうというものだ。日本軍はほんとにこんなに間抜けだったんだろうかと疑うくらいひどい。
その例が以下の事例

 ・ノモンハン事件
  大本営の方針が不明確、中央と現地のコミュニケーションが機能しない
 ・ガダルカナル作戦
  米軍の戦力を過少に判断、陸海軍がバラバラな状態で壊滅的な打撃を受ける
 ・インパール作成
  行う必要のなかった作戦が日本軍の情緒主義から生まれ、膨大な犠牲を払う
 ・レイテ海戦
  統一指揮がないまま終わる

以下の7つがエッセンスとして挙げられている。本を読むと理解できる。

『失敗の本質』から学ぶ7つの敗因
 1.戦略性戦術・主義を超えるもの
 2.思考法練磨と改善からの脱却
 3.イノベーション既存の指標を覆す視点
 4.型の伝承創造的な組織文化へ
 5.組織運営勝利につながる現場活用
 6.リーダーシップ環境変化に対応するリーダーの役割
 7.メンタリティ「空気」への対応とリスク管理


 ただ、ちょっとフェアじゃないなという記述もある。たとえば2章の05、06辺りでは「ゲームのルールを変えたものが勝つ」というタイトルで、市場の押さえ方を記述している。ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズがなぜ日本で生まれないのか、それはゲームのルール自体を変えるような破壊的な発想ではなく、型の習熟と改善を基本とする日本的思考と関係しているのかもしれない、と書いている。いやいやそんなことないだろう、と。ホンダもソニーもあるし(かつてあったし)、そもそもアメリカの市場を押さえるのはアメリカに住んでる人間のほうが有利に間違いない。なんかちょっとこじつけちっくだ。自分の結論に有利な持ってきかたであり、一方向からの見方しかできていない。

 こんな感じで、ところどころ「ん?」と思う箇所はあるのだが、平易に分かりやすく書かれていて、全体で見れば、それほどおかしなところもないので、それなりによかったと思う。とはいえ、上に書いたような書き方があるとイマイチ信頼できずに話半分で読んでしまうのだが。

 またいつか『失敗の本質』を読んでみよう。
[PR]
by vamos_tokyo11 | 2014-01-19 01:22 |


<< 『終わらざる夏』 浅田次郎 『世界を変えた10冊の本』 池上彰 >>