『稲盛和夫最後の闘い』 大西康之

 いまいち。

453231898X稲盛和夫 最後の闘い―JAL再生にかけた経営者人生
大西 康之
日本経済新聞出版社 2013-07-13



 稲盛本を読んだことがない人にはそれなりなのだろうが、テレビや新聞・その他の本で稲盛氏の話をいろいろと読んでいる身にとっては中身が薄い、薄すぎると感じる内容だった。副題に「JAL再生にかけた経営者人生」と付いているのだが、そのJAL再生をどのように実現したのか、まさに一番期待したところの内容が薄い。書かれていることに具体例が少ないというか、ひとつひとつの事実を細かく積み上げていくような事例がなく、ざっくりと書かれているので、破綻からこれほど鮮やかに立ち直った理由の詳細があまり見えてこない。

 この本は日経新聞関連の出版社が出しているのだが(著者も元記者)、まさに新聞の特集を寄せ集めて並び替えたような内容だ。さらにがっかりなのが『挑戦者』の題材である第二電電の立ち上げの要約に15ページも使ったり、どっかで見たような話が多い。使いまわしかよ!

 ただ、私が期待していたような内容は、実は稲盛氏にフォーカスを当てることよりも、この本でも重要な紹介をされている森田直行氏が主人公になっていれば、なぜJALが復活できたか、という疑問にストレートに答えてくれるような気がする。

 稲盛氏についての全く知らない人が初めて読むには良い本だろう。でもそんな人がこの本を手に取るとは思えない、というのが率直な感想。


以下引用。

p200
植木社長の言葉
「稲盛さんの経営はマジックでも何でもない。本気で会社を自分の子どもだと思っている。愛情の深さが違う。我が子のためと思うから、万全の自信を持ってモノが言える。サラリーマン経営者では、なかなかああは言えません。この3年間で命を縮められたかもしれないが、まさに起業家の生き様を見せていただいた」

p213
稲盛のものづくり哲学
 こうすればうまくいくというイメージをチームで共有しなければ仕事はうまくいかない
「天然色のイメージが浮かぶまで考え抜かなければ開発は成就しない」
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by vamos_tokyo11 | 2014-01-19 01:50 |


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