『カムイ伝』 白土三平

たまたま図書館で見つけて読み倒してしまった。

カムイ伝全集―決定版 (第1部1) (ビッグコミックススペシャル)
カムイ伝全集―決定版 (第1部1) (ビッグコミックススペシャル)白土 三平

小学館 2005-09-30
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
カムイ伝全集―決定版 (第1部3) (ビッグコミックススペシャル) カムイ伝全集―決定版 (第1部4) (ビッグコミックススペシャル) カムイ伝全集―決定版 (第1部5) (ビッグコミックススペシャル) カムイ伝全集―決定版 (第1部6) (ビッグコミックススペシャル) カムイ伝全集―決定版 (第1部7) (ビッグコミックススペシャル)


 すごいボリューム。
 そして物凄く深い。

 この本に興味を持ったきっかけは、会社で被差別部落に関するちょっとした研修のようなものがあり、その中で先輩から「カムイ伝に出てくるような~」という話があり、漫画でそんなこと描いているがあるんだと、知ったのが発端である。ただ、過去の漫画である『カムイ伝』を読むシチュエーションにはなかなかならないわけで、それからしばらく時間が経っていた。そんななか、ある日、たまたま図書館で娘に引っ張られていった場所に『カムイ伝』がズラッと並んでいたので手に取って読み始めたという次第。

 著者白土三平の背景としては父がプロレタリア画家の岡本唐貴ということで(この人のことは知らないが)、幼いときから共産主義的な背景を持っているのだろう。漫画自体は江戸時代の話なのだが、封建制を厳しく批判する姿勢で描写されている。農民と非人の差別の構図やそれを利用する武士階級、武士が自分自身の階級に疑問を持ち行動する話、これらが季節ごとのイベント(作付け、収穫、年貢等々)と絡まって表現されている。とくに共産主義的な感じを強く抱かせるのは農民への畏敬の表現と農民の強さで、農こそが最も尊く感じられるように描かれているところが印象的だ。時代的に毛沢東を感じさせる。

 『カムイ伝(第1部)』は本当にすぐれた小説だと思ったが、第2部に入り主題がぼけるというかもう少し叙事詩的な感じになっていく。また第2部ではお色気シーンというか第1部になかったような青年誌的な描写があり、連載誌の商業的な部分を感じる。

 まだ続編である『カムイ外伝』を読んでいないのでぜひ読んでみたい。けれども長いんだな、これが。第2部が第1部よりかなり下がっていたので(というか第1部が凄いのだと思う)、少し外伝にいきそびれている。

4091879020決定版カムイ伝全集 カムイ伝 第二部 全12巻セット
白土 三平
小学館 2007-04-01


[PR]
by vamos_tokyo11 | 2014-01-19 02:43 |


<< 今年のFC東京と日本代表をちょこっと 『「美しい顔」とはどんな顔か』... >>