『フェラーリと鉄瓶』 奥山清行

フェラーリと鉄瓶―一本の線から生まれる「価値あるものづくり」フェラーリと鉄瓶―一本の線から生まれる「価値あるものづくり」
奥山 清行

PHP研究所 2007-03
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 読むのが遅い人でも1時間半で読みきれる。この人は絶対に頭がいい。自分と関係ない世界の話でも平易で理解しやすく書いていて、すいすい頭に入ってくる。難しい話を平易に話す(書く)人をみると尊敬せずにはいられない。

 まず最初の方で面白いのが「第2章 日本人の知らないイタリア」。いわゆるイタリア人気質というものがたくさんの例示でわかりやすい。ブランドに関するイタリア人の意識というのも理解できる。それからイタリア人は意外に働き者らしい。いろんな国の中で著者はイタリア人が最も働き者だという。合議制、都市国家の建設、ルネッサンス期の芸術、これらを生んだローマ人の末裔たちと仕事をしていると心から感じるそうだ。

 それ以外にも示唆に富む話がたくさんある。



P99
 上の人が短時間で決定し、間違った判断を下さない為に、したの人間がわかりやすくて正しいプレゼンをしなければならない。

P100
 美しいモノをなぜ作らなければならないのか。自分のやっていることが社会の役に立ってないのではないかと悩んだとき原理原則に戻る。「美しいものは正しい。俺たちは正しいことをしているんだ」という会長の言葉。

P122
 「最近のカロッツェリアは味が薄まってきた」という意見があるが、それは当たり前。それは交代ではなく時代に合わせた進化である。

P143
 個人がしっかりしなければチームは成り立たない。まず個人の確立。管理すべきは仕事であって人ではない。

P155
 ホワイトカラーとブルーカラーではなく、これからは「クリエイティブクラス」と「非クリエイティブクラス」となる。「自分」がない人は自分がやるべき仕事を選べず、結果として「何でもやります」という姿勢になりがち。「おとなしい」のも「自分」がないから。

 P155の箇所は30代に入った中堅層に必要な意識。また「クリエイティブクラス」という言葉は『本は10冊同時に読め!』にも少し出てきていたのでびっくりした。すでに一般用語化しているのかも。

 この人がカッコいいのはこれまで築き上げた自身のノウハウ・人脈を地元である山形に還元していることだ。それがこの本の最後に表れている。

(参考)
 プロフェッショナル仕事の流儀
 山形カロッツェリア研究会
 基調講演 日本でブランドを構築していくためのヒント
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by vamos_tokyo11 | 2008-04-20 18:02 |


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