『グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する』  佐々木俊尚

『ウェブ進化論』を半歩踏み込んだ内容。読み物としても楽しい。

4166605011グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する 文春新書 (501)
佐々木 俊尚
文藝春秋 2006-04


第一章 世界を震撼させた「破壊戦略」
第二章 小さな駐車場の「サーチエコノミー」
第三章 一本の針を探す「キーワード広告」
第四章 メッキ工場が見つけた「ロングテール」
第五章 最大の価値基準となる「アテンション」
第六章 ネット社会に出現した「巨大な権力」


 ウェブ進化論を読んでいるか、もしくはそこに書かれている事実を既に知っている人なら、前半の第四章までに驚きはないだろう。昨年の春に出た本であるので、これらのロングテールや、キーワード広告という言葉の説明自体に新鮮みはない。ただし、この本が優れているのは、これらの常識となっている事象を読み物仕立てで読ませるところ。

 たとえば羽田空港のそばにある民間駐車場の話や、屋形船の話、メッキ工場の話などを、それぞれのキーワードと共に、非常に丁寧に上手く絡ませて書いており、筆者の書き手としての能力が存分に発揮されている。

 個人的には屋形船のキーワードの話は、以前にテレビか何かで見た事があり、そこの屋形船会社の女将が「そのキーワードの組合せは企業秘密です」みたいなことを言っていたので、興味深く読めた。さらに、実際にグーグルで検索してみると、しっかりとその屋形船会社が出てきて、しかもその会社以外が出てこなかったのには驚いた(笑)。

 この本がウェブ進化論より半歩進んでいるのは、第五章の解説と、第六章の展望である。非常に示唆に富み、色々考えさせられ、また少し恐ろしくなりもする。端的に言うと第六章はグーグルが抱く野望と、その先にある「監視社会」である。ちょっと怖い話だが、今日明日を心配する必要はない。ただし、これから数十年単位で生きていく人間としては知識として知っておいたほうがいいだろう。

 その第六章に出てくる『監視社会』と『ユービック』も読んでみたいと思う。
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by vamos_tokyo11 | 2007-06-12 21:54 |


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