『日本の思想』 丸山真男

 学生の頃に一度読もうとしたような気がするが、本好きではなかった自分には難解な文章で、読む気が一気に失せていってしまったような記憶があります。最近これを目にする機会があり、読んでみようと思った。

400412039X日本の思想 (岩波新書)
丸山 真男
岩波書店 1961-11


 Ⅰ 日本の思想
 Ⅱ 近代日本の思想と文学
 Ⅲ 思想のあり方について
 Ⅳ 「である」ことと「する」こと


 まず、この本の初版は1961年です。さらに4つの章の初出は1957年~59年と、50年代のもの。終戦後10年少々で出てきた本である、ということを意識すると驚きを禁じえない。

 Ⅰ章とⅡ章は翻訳したかのような難しい書き言葉が続く。例えていうならば、大学受験の国語(現代文)で出てくるような文章。Ⅲ章とⅣ章は講演を文字に落としているため非常に読み易い。どこかで読んだことあるような気がしたⅣ章は、恐らく受験勉強のときに読んでいたのだと思う。題名も有名だ。

 Ⅰ章もⅡ章も読み心地が悪いからといって諦めずに、肝を読み取るように読み進めていけば、その芯の部分は確かに読み取れる。そして、4つの章はそれぞれ底流で繋がっている。

 最も感心するのは60年も前に書かれた内容が、そして戦後の混乱した直後に書かれているこの本の内容が、少しも色褪せていないことだ。日本の思想や行動が戦前と戦後で断絶されているわけではないことが分かると同時に、現在も明治以降の流れの中でなんら変わっていないことを、今生きている人間だからこそ実感できる。

 それを最も感じるのは、Ⅲ章やⅠ章の最後のまとめに出てくる「ササラ型」と「タコツボ型」の話であろう。そしてⅣ章では「である」ことと「する」ことの違いが、すなわち民主主義そのもののテーマであることを、非常に分かりやすく解説している。

 何度か読み返す必要がありそうだが、確かに必読と言われる本である。
[PR]
by vamos_tokyo11 | 2007-06-15 22:39 |


<< 2007 第14節 東京vs浦和  ナオも更新してたけど、今日はや... >>