『竜馬がゆく』 司馬遼太郎

 17か18の頃に読んで以来なので18年ぶりくらいの再読。
 あの頃の倍近く生きてるのかと思うとビビるな・・・。

竜馬がゆく〈1〉 (文春文庫)竜馬がゆく〈1〉 (文春文庫)
司馬 遼太郎

文藝春秋 1998-09
売り上げランキング : 542
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 文庫本で全8巻。高校3年の頃読んだのは家にあった単行本5巻だった。今年の2・3月あたりに読み終えて感想を書くのをしばらくなまけてるうちに、細々した描写の記憶が薄れてきてしまった(苦笑)。とにかく驚いたのが自分の記憶のなさ!18年前と考えればそれほど驚きじゃないのだが、あの頃感じた大きな興奮と胸が一杯になるような駆り立てる気持ち、それから徹夜で読み終えて学校に行ったのにとても清々しかったこと、その自分の気持ちはよく覚えているのだが、読み進めてみて全然中身を覚えていなかった(笑)




 そういう意味でとても新鮮に楽しめた。あの頃に比べると驚くほど色々なことを学んできて、自分自身の立ち位置が大きく変わっているのでかなり違う視点から読んだと思う。それでもやはり何かを駆り立てられるような、心にぐっとくるような小説だった。

 これを読んでいるとき、通勤時に「お品ちゃん」のバナーが掛かっている旧東海道を毎日歩いていたので、「黒船が来たとき、竜馬はここを往復してたのかぁ」と妙に感慨深かった。もちろん竜馬だけではなく、多くの志士や大名もここを通っていただろうが、そのときは竜馬や桂小五郎らに思いを馳せていた。

 18歳当時は東京に引っ越してきて4年。中高生時分では住んでいた吉祥寺界隈以外の地理には不案内だった。千葉道場が八重洲ブックセンターの辺りにあったことなどを、今回読み進めるなかでネットで調べたりして、新しく発見することができた。残念ながら京都の地理には不案内なので、中盤以降出てくるその地理関係がよくわからない。いつか京都の町を歩くときにはきっと彼の足跡を訪ねてみたいと思う。

 僕にとっての司馬遼太郎の入り口はこの『竜馬がゆく』であり、元々歴史好きだったことも手伝って、このあといくつか司馬遼太郎の本を読んだ。10代後半の頃に好きだった音楽を聴くとその頃の情景を思い出すように、その頃楽しんだ本を読んであの頃の気持ちを思い出せたことは、自分に春の風のようなものを流し込んだ。竜馬の先見の明、自分自身への信念、そして行動力に対して、「竜馬のようになりたい」と思ったことを思い出した。『世に棲む日々』も『燃えよ剣』も大好きだが、やはり一番はこの『竜馬がゆく』だと再確認した。

 色んな財界人だとか著名人だとかが、『竜馬がゆく』を読むべき本にあげることが多いが(もっとも司馬本だと『坂の上の雲』の方が多いが)、仕事の為に、何かを学ぶために読もうとかする本ではないと思う。素直に楽しんで読めて、気持ちが前向きになれればいいのではないだろうか。そもそも仕事に生かそうなどという退屈な理由で8巻まで読めないだろうし(笑)。

 読んだことのない人には、これを初めて読んで味わえる感動があることをうらやましく思うし、一度読んだ事のある人には以前とは別の視点で新たな発見がある。そういう類稀な名作だ。
[PR]
by vamos_tokyo11 | 2008-06-21 02:20 |


<< EURO08 Rd8 オランダ... ソウルへは行けなかったけど >>