『カディスの赤い星』 逢坂 剛

 6月に読了。4・5年前に父親から「おまえスペイン好きなんだろう?」と薦められたが結局読まずにいた本。カラマーゾフを読み終えて手元に読む本がなかったのでカミさんの持ってた本を見るとこの本があった。親父とカミさんの本の趣味がちょっと重なってて面白い。新宿鮫シリーズも被ってた。

 この本は何しろ古い。1986年だってんだからなんと22年も前の本だ。この手の古いミステリー(ハードボイルド?)の類の本を読むといつも感じるのが通信手段の違い。90年代半ばまで携帯電話は出てこないわけで、連絡がつかないといったすれ違いの妙がなつかしい感じがする。今の二十歳くらいの世代の人には理解できないのかもしれない。もしくは明治以前の時代小説を読む気分になるのかもしれないな(笑)。そう思うと携帯電話は画期的だ。

 お話自体は入り組んでいて最後まで「なんだよ!」と思わせる展開。ただちょっとくどい感じもしないではないが、賞を2つ(直木賞と日本推理作家協会賞)とった本らしく面白かった。86年よりも舞台がさらに古いため、スペインへ旅立つときは羽田空港だったりするのも時代を感じさせるが、ギターにまつわる話や、フランコ政権と過激派の時代背景などは雰囲気を感じられた。マドリッドの中心地でプラド美術館の話も出てきて、昔訪ねたのを思い出し懐かしかった。

 ただやっぱりカラマーゾフの精緻な世界を読んだ後だとなんか粗っぽく感じた。比較するもんじゃないけどこればっかりはしょうがない。

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by vamos_tokyo11 | 2008-08-03 19:42 |


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