元NHKでフリージャーナリストの本。自分で挿絵まで描いていて多芸な人だ。文庫本は昨年の出版だが元は2004年の出版らしい。
びっくり先進国ドイツ (新潮文庫)
熊谷 徹
新潮社 2006-12
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ドイツのイメージと言えばサッカーでありビールであり、それから質実剛健なクルマだったりというのが自分の抱いていたイメージだったが、この本ではドイツに暮らす筆者が実体験に基いて様々な角度からドイツ社会を紹介している。
欧州の先進国は社会福祉が進んでいるイメージが強いが、ドイツも日本と同様に財源の確保に苦しんでいるようだ。資本主義経済というと米国の市場主義を想像してしまうが、ドイツのそれはまったく違うらしい。日本にいるとアメリカとヨーロッパの経済活動・政治による社会福祉は同じような感じがするが(欧米とまとめるくらいだし)、その中身は随分違う。その辺りをわかり易く解説していた。
働き方。
『フェラーリと鉄瓶』にも出てきた話だが、ドイツ人も日中の仕事の効率は良いらしい。なにより残業しても評価されない。また休暇は2・3週間当たり前だそうで、そういえば僕の知ってるドイツ人も年に2・3回は長い休暇をとっている気がする。典型的な日本の職場に勤める自分からするとうらやましい話に聞こえるが、文化的な背景もあるし、社会が変わらない限り日本の会社がヨーロッパのような休暇の制度はありえないだろうな、というのが正直な想い。せめて効率よく仕事して、平日でもスタジアムに行けるようにしたいものだ。もしくは独立するしか仕方ないだろなぁ。