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『40歳の教科書』 モーニング編集部&朝日新聞社

 成毛眞固め撃ち。タイトルがちょっとウソ。「子を持つ親のための本」くらいの内容。

406216405140歳の教科書 親が子どものためにできること ドラゴン桜公式副読本『16歳の教科書』番外編
モーニング編集部
講談社 2010-07-23



 『勉強上手』に続いて成毛眞さんの固め撃ち。「親が子どものためにできること」という副題がついているとおり、子育てに関する本。教育方針とかの悩みについて、一般に言われていることに反論する形で、それぞれのお題に複数の人が意見を述べている。

 お題は次の4つ
 ①英語はいつから学び始めるべきか
 ②中高一貫校は幸せへのプラチナチケットか
 ③「お金」と「仕事」をどう教えるか
 ④挫折や失敗をした子どもにどう接するか


 で、成毛さんは①に出てきて、別の本(ずばり『日本人の9割に英語はいらない』)でも書いてる通り、小学生から英語なんてやる必要はまったくない、そんな時間があるなら水泳教室に通って、おぼれても死なないように泳ぎ方を覚えるべき、というようなことを書いている。これには大賛成で、そもそも優先順位があると思っている。英語やるより他に学ぶことがいくらでもあるだろう、と。日本語の本を死ぬほど大量に読むとか、算数・数学とか、いくらでもある。そもそも英語なんてみっちりやって、それもひたすら大人になるまで(大人になっても)勉強を続けない限り、使い続けない限り忘れていってしまうもの。中学からで十分でしょ。20年後の世の中がもっと英語であふれかえっているかもしれないけれど、そしたらそんとき必死にやればしゃべったり読んだりできるようになると思う。日本語で考える力を育むことが先決だという意見に賛成だ。

 ③と④については何にも参考にならない、というか当たり前のことしか書いていないので全く記憶にも残らなかった。畑村洋太郎氏の失敗をワクチンと考えて正解を押しつけない、という考え方は全くその通りだと思う。わざわざ読むほどのものではないのだけれど、東大生は挫折したことがないので、研究で悩んで自殺者が多かったという話はほんまかいなという感じだった。

 ②は基本的にアンチテーゼなので、中高一貫校じゃなくてもいいんじゃないの、というスタンスで書かれている。まぁ、親が子どもに何をさせてあげたいか、最終的なゴールはなんなのか、子どのもの意志についてはどう考えるか、ということをしっかり多角的に考えなければいけないというところか。これも当たり前のことしか書かれていないのだが、それでも、周りがみんな塾に行ってるから行かせる、友達が中学受験するからうちもする、みたいなことになるのはやっぱり避けるべきで、同じ行動をとるにしても、どうしてそうするのか、なぜそうしたいのか、を良く考えないといけないのだろう。

 いずれにしても自分のスタンスがあって、きっちりと軸のある人にはこんな本は不要なのだろう。そうありたい。
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by vamos_tokyo11 | 2012-11-30 22:47 |

『勉強上手』 成毛眞

好きなことについてとことん突き詰めなさいというお話。

4344022076勉強上手
成毛 眞
幻冬舎 2012-06-28



途中の各種勉強本(自己啓発本)への書評がちょっと面白い。
受験勉強や資格獲るための勉強するなら効率よくやりなよね、そのために読むならいいんじゃない、という話。
まぁ、それだけだ。

著者がよく見る番組というコーナーだけメモ。
知らないのが3つあった。

 「日曜美術館」NHK
 「美の巨人」テレビ東京
 「デザインあ」Eテレ
 「コズミックフロント」BSプレミアム    これは知らなかったけど面白そう!
 「ブラタモリ」NHK
 「世界ふれあい街歩き」NHK
 「ワールドビジネスサテライト」テレビ東京
 「ワールドWAVE Tonigjt」BS1
 「cool japan」BS1

この本の中に出てくるエピソードで一番面白かったのが、著者のブログに書かれているこの部分。全くその通りだよな。その流れで読めば、この本を読むような人間はだめで、できるやつはもう好きなことに邁進してるはずなんだけどね、ということにも繋がる自己矛盾。

15年ほど前のこと、ビル・ゲイツが日本経済新聞社主催の「起業家セミナー」で講演したことがある。参加者は2000人ほどであった。もう1人の講演者であるリチャード・ブランソンと控室で談笑中、2人の意見が完全に一致して爆笑していた。「こんな講演を聞いていて立派な起業家になれるわけなどない。成功したければ、呑気に講演なんか聞かないで、ともかく仕事するべきだよね」と。

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by vamos_tokyo11 | 2012-11-29 22:46 |

『ハックルベリィ・フィンの冒険』 マーク・トウェイン

4102106022ハックルベリイ・フィンの冒険 (新潮文庫)
マーク・トウェイン Mark Twain
新潮社 1959-03



 オススメの何冊、みたいなところに必ず誰かが入れていて、いつか読まなければ、と思っていた。やっぱり長いこと時間という荒波に揉まれても生き続ける本は違う。時代背景も国も、とにかくいろいろなことが違うのだけれども、なんか人間の普遍的なものが伝わってくるような、そういう小説だった。

 子どものころ、トム・ソーヤーの冒険はアニメで見た記憶があり、ハックルベリィ・フィンはそこに出てくる太目の友達という印象しかなかった。その印象すら曖昧なのだが、この本は、『トム・ソーヤーの冒険』のあとに書かれたものだということだ。物語の後半にはトム・ソーヤーも出てきて、ウルトラセブンがを見てたら、ウルトラマンが登場したときのような、妙なワクワク感があった(ちょっとたとえが変だけどわかるかな)。

 この時代、まだ奴隷制度があり、ハックは、売り飛ばされるところを逃げ出した黒人奴隷のジムと隠れながら旅を進める。旅というかまさに冒険。ハックは実の父親から逃げるために、まるで殺されたかのような状態を家に作り、そしてそれに成功する。もう最初っから描写がすごい。リアリティがむちゃくちゃあるのだ。その後も川をいかだやボートで下ったり、川の中州にある島でサバイバルしたりする様子が描写されるのだが、薄暗いその状況を横から見ているかのような気にさせてくれる。

 奴隷制度のある当時に書かれていることもあり、現代からは想像もつかないような黒人への扱いや、黒人側の奴隷としての振る舞いなど、最初はショッキングな表現が多い。現代人の常識から考えてはならないのだが、このような状況が100年ちょっと前に彼の国に存在していたというのは、非常に奇妙な感じがしてくるのだ。さらにいえば、この名残というか、黒人への差別は南部でもまだ根強く残っているとされていて、その源流を見る思いがする。

 ただ、ハックはジムに対して友情を感じているし、奴隷を逃がすという当時の大罪を犯すことに恐怖するが、それを乗り越えようとするところなど、ひょっとすると著者は奴隷制度に反対だったのではなかろうかと思わせるものがあった。間違ってはいけないと思うのは、現代の文脈で当時の空気や行間を読むのはミスリードの元であるので慎むべき、とは思うものの、私が当時の文脈でこの本を読むことも不可能であり、つまりは自分の素の部分で本に向き合うよりほかにないのだろう。

 ところどころそういった社会的なところを考えさせられるが、ハックのジムやトムとの友情やハックの賢さ(これほど賢い孤児がいるのだろうかと思うし、著者を投影しているのかなとも思ったが)に感嘆し、楽しめる不思議なお話だった。
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by vamos_tokyo11 | 2012-11-27 23:36 |

『下町ロケット』 池井戸潤

 今年読んだ本の中で1・2を争う面白さ。(最後の方に若干ネタバレありのためご注意)

4093862923下町ロケット
池井戸 潤
小学館 2010-11-24



 すごい。ものすごく良かった。外(電車の中と喫茶店)で読んでるときに合計3回くらい泣きそうになってやばかった(笑)。ベタな感じもするんだけど、こういうのがエンターテインメントだよ。極上のエンターテインメント。

 池井戸潤の本は初めて読んだんだけど、この本は文庫が出たら、と思ってたところ会社で貸してもらって読んだもの。それなりに期待して読んだのだけど、期待以上だった。最初の方は訴訟がらみの話で始まって、中小企業が大企業に勝ってスカッとするような内容なのかな、と軽く考えてたら甘かった。その後の流れがすごい。最後の方なんか紙幅が減ってきてるのに、これで一体どこまで話が進むのかというくらいどんどん加速していって読むのが止まらなかった。

 主題はロケットだのバルブだの難しい科学の話なのではない。心に刺さるのは登場人物たちの気持ちがいちいち痛いほどこちらに刺さってくるからだ。社長の佃の気持ち、経理の殿村の気持ち、特許権の貸し出しと製品納入に揺れる気持ち、若手の気持ち、帝国重工のマネジメントの気持ち、悪者として出てくる調査担当者の気持ち。どれも自らの立場でそれぞれに発言して行動しているのだが、仕事に対する真摯な思いとか、誇りとか、そういう働く人間に備わっている当たり前のものがサラリーマンの自分にビンビン伝わってくる。ひとつひとつの「できごと」に自分の現在の環境や思いを重ねたりして(これがまたどっからでも重なってくる)読み進めてしまう。誰が正しくて間違ってるなんてことはないんだけど、それもいちいち重なってくる。ひとつだけ登場人物に共通しているのは、それぞれの登場人物が持つ自らの仕事に対する誇りで、それが読み手の心に刺さるのだろう。


 感動ポイントはいろいろあったんだけど、自分なりに選ぶとこれだ。(以下チョイネタバレあり注意)


・帝国重工のテストに不安を見せる佃を励ます母親の言葉。「腰を据えてぶつかってこい」
 ちょいちょいいい味出すお母さん。元妻もかなりポイントで、大事なところで物語を動かす。

・真野(若手社員)と佃のやりとり
 「仕事ってのいうのは、二階建ての家みたいなもんだと思う。一階部分は、飯を食うためだ。必要な金を稼ぎ、生活していくために働く。だけど、それだけじゃあ窮屈だ。だから、仕事には夢がなきゃならないと思う。それが二階部分だ。夢だけ追っかけても飯は食っていけないし、飯だけ食えても夢がなきゃつまらない。(攻略)」

 うまいこという。その通りだよな、自分にとっての二階部分ってなんだろう、みんなにとっての二階部分ってなんだろう、って考えた。この表現使いたい(笑)。


泣きそうになった3箇所
・「佃品質、佃プライド」のポスターとテスト対策のシーンから第一段階完了後の殿村の乾杯まで
・バルブ採用決定から2回目の実験結果を電話で受けるシーン
・打ち上げシーン

こうやって見ると感動シーンには殿村がいつも絡んでくる。話の最初と後半でキャラに変化が出てくるところといい、うまいこと書くよなぁ。
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by vamos_tokyo11 | 2012-11-26 23:24 |

第33節 G大阪×FC東京 お互いこの順位にいるわけか・・・

 テレビ録画観戦。
 広島優勝おめでとうございます。このサッカーはCWCで期待しちゃいますね。

11月24日(土) 2012 J1リーグ戦 第33節
G大阪 2 - 2 FC東京 (14:33/万博/19,393人)
得点者:21' 徳永悠平(FC東京)、37' 家長昭博(G大阪)、62' 家長昭博(G大阪)、84' 渡邉千真(FC東京)

 勝って降格圏を脱したいガンバに対して、目標がない東京。でもこの試合の東京は気合入ってた。先制ゴールが左SB太田のクロスから、右SB徳永のゴールだってのを見ればわかるし、それ以外にもみんな頑張ってた。こういうのがいつもできればねぇ。でもこの内容なら勝たないといけない試合だったよな、と。

 試合自体はどつきあいで面白かったんだけど、それにしても、いかにも中位・下位の試合という感じで、特にガンバがなんでこの順位にいるのかよくわかるゲームだった。中盤から後ろの選手が不用意なパスミスや、ボールの奪われ方を連発しまくり。こういうのをやらかした結果、ゴールをボカスカ入れられているから、あの失点数、順位なのだろう。で、そういうプレゼントをもらっても決められない東京も、また同様。決めてりゃこの試合だって楽に勝ててたのに。。。そう考えると、降格圏にいないだけでも御の字なのかもしれないけど。

 来週は完全に消化試合になってしまった仙台戦。すごいのが、うちの試合と清水×大宮以外はACLか残留の要素が絡んでる。さらに清水は賞金圏内が掛かっているのでそれなりにニンジンあり。なのに俺らはなんも無いなんて。まったく、来週は目の前で優勝阻止してやる!って思ってたのに。。。残留争いじゃないだけましと思おう。

 それにしても、セレッソは今日負けて、降格の目が残ってしまった。えらいこっちゃ。あと、上のほうでは豊田の得点もすごいことになってる(常日頃から思ってるんだけどハーフナー・マイクじゃなくて豊田を代表に呼べよ)。というか鳥栖すごい、J2から上がってきて活躍するチームは東京じゃなくて鳥栖だったという事実が・・・広島、柏、仙台のあとを追ってるのは東京じゃなくて鳥栖だった・・・(泣)。


◆おまけ 最終節の試合

 12月1日(土)鹿島×柏  柏のACL狙い
 12月1日(土)浦和×名古屋  ともにACL狙い
 12月1日(土)東京×仙台  なんもなし!
 12月1日(土)横浜×鳥栖  ACL狙い
 12月1日(土)新潟×札幌  残留争い
 12月1日(土)清水×大宮  清水は賞金圏内あり
 12月1日(土)磐田×G大阪 残留争い
 12月1日(土)C大×川崎  残留争い
 12月1日(土)神戸×広島  残留争い

 降格の可能性は、セレッソ、神戸、ガンバ、新潟。大阪の2つともが落ちる可能性はないけど、最終節で逆ったらすごいな。今季最終節は味スタじゃなくて家でスカパーが正解じゃないだろうかと思ったり。。。いや、もちろん味スタ行くけど。。
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by vamos_tokyo11 | 2012-11-25 01:23 | FC東京

『社長・溝畑宏の天国と地獄』 木村元彦

 やっぱり普通じゃない人の話は面白い。

408780528X社長・溝畑宏の天国と地獄 ~大分トリニータの15年
木村 元彦
集英社 2010-05-25



 大分でサッカークラブが誕生して、溝畑社長がトリニータを辞めるまでのお話。溝畑社長の豪快な話は「カンブリア宮殿」(テレビ東京)で放映されたときに見て興味をもっていたが、そのときに出てたような濃い内容がふんだんに登場する。

 やはり母体のクラブも無いところにJクラブを作り、スタジアムを作り、ワールドカップを招致するような離れ業をやってのけるのは並大抵のことでは実現できないのだろう。そういうことが、よくわかる、よく取材された内容。この本は事実に基づき、事実に即した話なのだろうが、まるで小説のよう。どんどん読めて面白かった。

 癖のあるサポート企業のトップとの交流、そこに溝畑社長の猛烈ビジネスマンぶりがとにかくすごい。いろいろ言われている人だけれども、間違いなく誰よりもクラブを愛してるのだろう、というのが伝わってくる。そりゃそうだ、自分で作ったクラブ、魂を入れたクラブがかわいくないわけがない。思い入れは私が想像するレベルの比じゃないに違いない。功罪指摘あるのだろうが、この人がいなければ、大分にJクラブが誕生する時期は大幅に遅れていたことは想像に難くない。

 借金をたくさん作って降格して、明日(明けて今日)、昇格を掛けた一戦に臨む大分。溝畑さんはスタンドにいるんだろうか。
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by vamos_tokyo11 | 2012-11-23 01:42 |

『ねこ背は治る! 』 小池義孝

4426112990ねこ背は治る! ──知るだけで体が改善する「4つの意識」
小池 義孝 さわたり しげお
自由国民社 2011-10-28



 猫背なんです。特に座っているときはひどく、妻にもよく注意されます。でももはや無理だし姿勢よくしてると疲れちゃうし、ということで、この本が注目を集めていたので読んでみました。すると、なるほど、これまで聞いたことのないような説明で、目から鱗が落ちるとはこのことでした。

 本の中身は超シンプル。メモっておくと、

 ①立ってる状態
  膝を床について立つと、自然と姿勢がよくなる。
  この方法を意識すること。
  すなわち、立っているときに大腿骨にまっすぐ乗るように立つと姿勢の良い状態が楽であるとわかる。

 ②座ってる状態
  坐骨を意識して、坐骨にきれいに乗るように座ると自然と姿勢がよくなる。
  坐骨の底はV字になっているので、これを座面にしっかり乗せると姿勢がよくなる。
  これが座っているときに楽な姿勢→自然と姿勢がよくなる。

 このふたつで完璧。ネタバレですが、それだけのお話。でもこの本、そこまでが長い長い。猫背矯正法だけを知りたい人間からすると、周辺情報がやたら多くて邪魔でした。後半は体幹の話が出てきて読み飛ばしました。肩甲骨の話とか、へその下から脚が出てきてるとかの話なんで。脚の生えてるところ、って話は体幹の話のときによく聞くやつだと思ったので。

 自分的には座ってるときの姿勢が悪いので、坐骨を意識するというのは即効性があってよかったです。で、そうなると今度はたぶん腹筋と背筋の問題になるんだと思う(一般的によく言われるやつ。腹筋が弱ってるから姿勢が悪いんだというやつ)。というわけで、やっぱり腹筋鍛えないとな、と思う今日この頃。
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by vamos_tokyo11 | 2012-11-11 23:23 |

『不毛地帯』 山崎豊子

 すごい!濃い!!

不毛地帯 (第1巻) (新潮文庫 (や-5-40))不毛地帯 (第1巻) (新潮文庫 (や-5-40))
山崎 豊子

不毛地帯 第2巻 (新潮文庫 や 5-41) 不毛地帯 第3巻 (新潮文庫 や 5-42) 不毛地帯 第4巻 (新潮文庫 や 5-43) 不毛地帯 第5巻 (新潮文庫 や 5-44)


 『華麗なる一族』『沈まぬ太陽』以来、久々の山崎豊子本。『白い巨塔』は合わなくて1巻の途中で読むのを止めちゃったんだけど、この本は最初から最後まで濃厚極まりない内容で面白かった。(本の詳細な内容はAmazon等他サイトを参照ください)

 最初のシベリア抑留での話が物凄い壮絶さ。この人の描写は細かくて見てきたかのような、今見てるかのような書き方で、読んでるだけで息苦しくなるような箇所が随所にあった。しばらくシベリア抑留時代の話が続くのだが、こういうことがあったんだということは日本人として理解しておかないといけないな、と感じた。

 主人公のモデルが瀬島龍三というのは有名な話なのだが、どこまで本人に似せているのかはわからない。恐らく『沈まぬ太陽』ほどにはなぞっておらず、ここでは心の中を表現するところが多かったので、元陸軍参謀、シベリア抑留、伊藤忠副社長といったところをモデルとした程度なのかな、と勝手ながら想像した。基本的に善人で構築されていて、物語の最後での身の処し方なんかからそんな感じがした。

 シベリア抑留の表現、航空機受発注の生々しさ、自動車再編での立ち回り、原油掘削での勝負、とそれぞれの物語のなかで人間ドラマや広い世界観が展開されていくので飽きることなく読み薦められる。

 大門社長が、副社長の里見と壱岐(主人公)がお互いにやりあう中で、どちらかの肩を持つのではなく、両方の部下を必要な人材として双方を立てつつ忠誠を誓わせるような動きや発言をしているのを読んで、山崎豊子はすげー人だな、いろんな角度から物事を考えられて、企業で働いていても社長とかやってそうだな、と感じた。
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by vamos_tokyo11 | 2012-11-11 01:37 |

『はやぶさ そうまでして君は』 川口淳一郎

4796678913はやぶさ、そうまでして君は?生みの親がはじめて明かすプロジェクト秘話
川口 淳一郎
宝島社 2010-12-10



 小惑星まで行って帰ってきた惑星探査機プロジェクトのリーダーが書いた、もちろん「はやぶさ」に関する本。ニュース程度しか知らなかったので、自分が思っていたよりもものすごい偉業だったんだということがわかった。さらに、NASAとJAXAの予算や規模の差についてもよくわかったし、それだけにこのプロジェクトを立ち上げ、成功させたことのすごさがよくわかった。なんだけれど、題名や本文中に出てくる擬人化が自分にはちょっと嫌だったというか、理解しがたかったな。

 人間がプログラミングして指示して最後大気圏に突入して宇宙に溶けてしまうわけなんだけど、それを「そうまでして」自分たちの指令に答えてくれるなんて、と言われても、いや、それはあなたたちがそういう命令を出して動かしてるわけだから当然でしょう、と思ってしまうのだ。「はやぶさ」自体をニュースレベルでしかしらない自分からすると客観的に外から見てしまうので、川口さんが擬人化していとおしむ気持ちを理解できても、そこまで入り込むことができないので、ちょっと引いてしまった。

 最後夜空にはやぶさが光って無くなってしまうことに対して感傷的になるのはよく分かるし共感できるんだけど、本の中にたくさん出てくる擬人化はちょっとよくわからなかった。私はシステム関連の仕事をしてるんだけど、それを擬人化するようなことはないし、何かバグや動きに問題があったりしてもそれを人智を超えた何かの仕業だとは思ったりしないわけで、そういう表現が出てくると、なんかどんどん感情移入ができなくなった。

 まぁ、大きな仕事を成し遂げる人はそういうもので、凡人は仕事に気持ちが入ってないと言われれば抗弁できないので、小人の戯言かもしれないけど。

 ネガティブなことを書き連ねたけれども、基本的に本はメチャクチャ面白い。このはやぶさプロジェクト(小惑星サンプルリターン)の話は掛け値なしに面白いので、本自体はオススメできる。ただ、細かな技術的な点をたくさん端折っているので、その辺りをもっと読みたかった。今度はそっち関係の本も読んでみたい。
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by vamos_tokyo11 | 2012-11-04 06:15 |

『日本人にしかできない「気づかい」の習慣』 上田比呂志

4844371339ディズニーと三越で学んできた日本人にしかできない「気づかい」の習慣
上田 比呂志
クロスメディア・パブリッシング(インプレス) 2011-10-14



 料亭の息子で、三越で長く働き、ディズニーに研修に行って、ディズニーへ転職し、現在はコーチングなどをしてる人の本。新聞広告なんかでちょっと気になってたところ、図書館で見つけたのでついで借りしてみた。さくーっと読み終えます。

 中身は、まぁついで借りレベルで、とりたてて何かってこともなかった。ここで出てくるような「きづかい」は多かれ少なかれやってるだろうし(こういうのができない人も世の中にはいるけど、たいていはマナーが悪いとかそっちの類か)。

 最近ビジネス本ちっくなのは手に取らないようにしてることもあり、これもそういう種類の本なので自分には響かなかったけれども、、、って一体誰に効く本なんだろな。こういう本読んでもっと「きづかい」できるようになりたい、という人はすでに「きづかい」できてる人なんだろうし、こういう本に興味ない人はそもそも「きづかい」なんかにも興味ないひとなんだろうしな。『とんび』を読んだあとだっただけになおさら印象が薄いのかもしれないですが、そういうことで。
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by vamos_tokyo11 | 2012-11-04 03:09 |