<   2012年 12月 ( 12 )   > この月の画像一覧

『特命全権大使 米欧回覧実記』 久米邦武

 ここで紹介されていた本。

特命全権大使米欧回覧実記 1 普及版 アメリカ編―現代語訳 1871-1873 (1)
特命全権大使米欧回覧実記 1 普及版 アメリカ編―現代語訳 1871-1873 (1)久米 邦武 水沢 周

慶應義塾大学出版会 2008-06-05
売り上げランキング : 209125

特命全権大使米欧回覧実記 2 普及版 イギリス編―現代語訳 1871-1873 (2) 特命全権大使米欧回覧実記 3 普及版 ヨーロッパ大陸編 上―現代語訳 1871-1873 (3) 特命全権大使米欧回覧実記 4 普及版 ヨーロッパ大陸編 中―現代語訳 1871-1873 (4) 特命全権大使米欧回覧実記 5 普及版 ヨーロッパ大陸編 下―現代語訳 1871-1873 附・帰航日程 (5)


 気になっていたので図書館で検索したら誰にも借りられていないようなきれいな状態で借りられた。ところがどっこい、すんごい分厚いのが5冊も来てしまった。。読み始めると、出発前の様子から、船に乗ってサンフランシスコに到着、そこから街の様子、食事の様子、訪れた観光地の様子など、様々なことが具体的に書かれている。人口、土地の面積、何年から入植されたかなどをかなり細かく書いているので、正直しんどい。どちらかというと、この時代の人が、アメリカ(その他の国々)をどのように見たかということを知りたかったので、事実関係は飛ばしながら読み進めている(現在進行形)。まだ1巻途中でワシントンに到着したところだが、果たして欧州を周って日本まで帰ってこられるか。。。

 たしかに成毛さんが勧めている様な明治初年の日本人がここまで分析できるのか、と驚きがあるのだが、そういう分析と評価の部分が少ないのが残念。これから増えていくことを祈りたい。続きに面白いことがあれば付け足したい。
[PR]
by vamos_tokyo11 | 2012-12-24 02:09 |

『ユーロ破綻 そしてドイツだけが残った』 竹森俊平

4532261783ユーロ破綻 そしてドイツだけが残った (日経プレミアシリーズ)
竹森 俊平
日本経済新聞出版社 2012-10-10



 久々に竹森本を読んだ(過去に読んだのは『資本主義は嫌いですか』『1997年-世界を変えた金融危機』)。現在進行形のタイムリーな本。ユーロの現在の危機的な状況を、そもそも通貨ユーロが創設されたときからの構造的な問題であると、多数の論文を引用して解説している。

 実に分かりやすく、しかも小説のような時間の流れの中で、最後にドイツだけが残ってしまったと結んでいる。題名といい、書き方といい過去の本と同様にうまいし面白い。説得力もある。(もひとつ言うと表紙もすごい)。著者はユーロは構造的な問題があり、さらにはドイツはユーロ圏をトランスファー同盟(イタリアの南北問題やドイツの東西問題を解決するときのような財政支援同盟)にはしたくないため、通貨としてのユーロは崩壊に向かうだろうと予測している。確かに本が書かれていた夏から秋にかけての様子ではそれも想定されたかもしれない。ただ年末の現在は少し良い方向に向かっている。

 通貨ユーロが崩壊したとき、その影響は甚大だということが少しリアルにわかったので、ちょっと怖い。ユーロ圏から資産を引き上げなきゃ、と思うのだが塩漬け状態の投資信託でよその地域ともミックスされているからもうしょうがないな。。。
[PR]
by vamos_tokyo11 | 2012-12-24 01:24 |

『きみはなぜ働くか。』 渡邉美樹

4532195373きみはなぜ働くか。(日経ビジネス人文庫)
渡邉 美樹
日本経済新聞出版社 2010-04-02



 ワタミ社長時代に、社内向けに出していたメッセージを集めたもの。会社で読んだって人にどんなだったかを聞いたら渡されてしまったので読んだ。題名が働く意味を問うているように見えるのだが、社内向けメッセージ集なので社内の起こった事柄なんかがたくさん出てくる。

 最初のほうは割りといいこともたくさん書いてある。

 たとえばp32にあるナポレオン・ヒルの「目標の明確化」というもの。目標を立てたら、目標達成の理想形を何度も何度も頭にカラーで描き続けること、というのがある。『残念な人の思考法』にあったような記憶があるのだが、アイデアはいくら話しても良くて、他人に盗られる心配をしなくてもいい、なぜなら、結局アイデアを実行しなければ意味がないから、というのがあって、その話に通じると思った。まったくもって、考えが浮かんでもそれを実行するために、細かに筋道を立てて、実行していく能力(やる気や行動力・根性などをすべて含む)がなければ画餅にすぎない。それをここでは言いたいのだろう。「目標をカラーで描く」という表現はそれを的確に表していて気に入った。

 その一方で社長がそれ言って大丈夫なんかい?というのもある。たとえば「365日24時間、死ぬまで働け!」(p138)というものだ。別に言葉通りではなく、それくらいの気持ちで頑張れということだ、とあるのだが、社長をやってる人と、従業員のそれは違うだろう、同じ気持ちでやるのなら自分で社長やるだろう。この話の中で出てくるのが、夜勤明けでそのまま研修に行って、眠いだろうが頑張れ、みたいなのがありドン引きした。いや、それ無理でしょう。社員を育てる気が全くないといっても過言ではない。研修すら万全の体調で受けさせてもらえない会社ってなんなんだろう。普通そうなの?いや、違うだろう。びっくりした。この辺りからだんだん本の調子がおかしくなってくるのである。

 後半になってくると高校生のバイト向けのお説教のような話が出てきて(和民なのでバイトが多いのだ)、まぁ社会人としての心構えを話すのはあるだろう。でも俺にはまっっったく役に立たない。当たり前すぎる。レベルが低すぎるのだ。そんな感じの話が後半は増えてくるので。。。

 ただ、こういう社会人としての心構え的なことを言ってくれる(ビデオレターらしいが全バイトが見てる時間があるとは思えないけど)人がバイト先にいるとしたら、時給は別としていいバイト先だな、と思う。高校生や大学生がバイトするとき、お金だけじゃなくて働く意味とか目的を考えさせてくれるなんていいところだなと、自分がそういうところでバイトしたことなかったので思った。そんなわけで、本としては半分くらい良い、ということで。それにしても、この表紙、買いにくすぎるだろう。。
[PR]
by vamos_tokyo11 | 2012-12-24 00:55 |

『人生がときめく片づけの魔法』 近藤麻里恵

 有名本、読んでみた。

4763131206人生がときめく片づけの魔法
近藤 麻理恵
サンマーク出版 2010-12-27



 会社の後輩も言ってたけれど、ほとんどが普通に実践しているようなことで、目新しいことはない。でも、どうしてこんなにこういう本は読まれるんだろう。みんなそんなに片付けられないんだろうか。気持ち良いほど捨てるみたいだが、捨てるのが目的になってるみたいでなんだかちょっと。。。そもそも捨てるくらいなら買ったりもらったりしなきゃいいのに、と思うのだが、それができないから、こういう本の出番があるわけか。

 そんななかで、ひとつだけ優れてるな、と思ったのが、場所で整理しない、同じカテゴリのものはすべて一気に整理する、というもの。例えば服であれば、部屋別に整理するのではなく、すべての服を一度に集めて選別する。例えば本であれば、部屋別に整理するのではなく、家中の本をすべて集めて、一度は本棚から出して整理する、というもの。部屋ごとにやると、やり終わった後、また別の部屋に隠れてたりするので、この方法はいいと思った。

 あ、あと判断に悩んだら「ときめくか、ときめかないか」で決めるというのは結構アリですな。40を迎えたおっさんが「ときめく」というのもなんだかなぁ、という感じだが、他に適当な言葉もないんだからしゃーないわな(笑)。

 それにしてもこの手のハウツー本ってのは、どうして箇条書きに整理して分かりやすい構成にしないんだろう。それこそ整理されてない構成だ。ひょっとして片づけをわかりにくくして、結局片づけられずにまた顧客として戻ってくることを狙ってるんだろうか。まさかねぇ。アメリカの本って必ず章末に要約があったりすんのに不思議だ。
[PR]
by vamos_tokyo11 | 2012-12-24 00:00 |

『超高層ビビル 日本編』 中谷幸司

 自分の会社が移転した先のビルが著者のHPに載っていたことに驚き、その人のことをたぐっていったらこの本にたどり着いたので図書館で借りてみた。

4784509860超高層ビビル 日本編 (Skyscrappers Vol 1)
中谷 幸司
社会評論社 2008-06



 本の構成がすごい。ビビル(笑)。

 ひたすら高層ビル(ここでは約100m以上のビルと定義)の写真とビル名、高さ、住所を乗せている。たまに有名なビルからの景色もあるが、ただそれだけ。すごい(笑)。文章はまえがきとあとがきの1ページずつという潔さ。あとがきの写真撮影の苦労話を読んで、すべての写真が美しく撮れている理由がわかった。背景が青空になるように、何度も撮りなおしにビルを訪れたりしたらしい。ほんとにビルが大好きなのが分かる。

 著者のブログでは、他に再開発の情報や、更地になったところ、建て直している途中なんかも語られていて、本以上の充実度だった。日本橋などで見られる再開発の内容が細かく書かれていて興味深い。こっちのほうが本より面白いっすよ。いやはや、いろんな趣味の人がいるもんだ。
[PR]
by vamos_tokyo11 | 2012-12-18 23:29 |

『フェルメール 光の王国』 福岡伸一

 文章も写真もすばらしい。ANA機内誌での連載をまとめたもの。

4863240406フェルメール 光の王国 (翼の王国books)
福岡伸一 小林廉宜
木楽舎 2011-08-03



 久々の福岡伸一本。先のエネルギーの本に「動的平衡」という単語が出てきて思い出したのは福岡伸一氏のことだったのだが、横にこの本を置いていたので何かつながりを感じ、不思議な感覚だった。
※過去に読んだ福岡伸一本 『生物と無生物のあいだ』 『もう牛を食べても安心か』

 著者はフェルメールは「光のつぶだち」を発見して、それを絵にとどめようとしたに違いないと解釈し、フェルメールを巡る旅をスタートさせる。フェルメールが暮らしていたデルフトを皮切りに、世界中に広がるフェルメールの絵を訪ねてまわる(ANAはうまい企画を考えたなぁ)。

 そのなかで登場するのが、同じデルフトで同じ年に生を受けた科学者のレーウェンフック。その親しかったであろう関係から、レーウェンフックが顕微鏡で見た昆虫の脚のデッサンがフェルメールのものではないのか、という想像を廻らしていく。この想像、実はだいぶ前に新聞で読んだ記憶があり(福岡伸一氏の記事だった)、今回この本を読もうと思ったのも、この推測についてまとめたような本があると知ったからだった。
 
 このお話について期待して読み始めたところ、世界中に散らばっているフェルメールの絵について解説がふんだんにされていたり、その土地土地の話が織り込まれたりしていて非常に楽しかった。ニューヨークでは『生物と無生物の間』にも出てきた野口英世の話が出てきたり、ゆかりの図書館が写真つきで紹介されていたり、とても充実している。

 この本を読むと絵を見に行きたくなるし、その土地を訪れたくなる。ルーブルに行ったはずなんだけど、ここで出てくる絵を見た記憶がなかったり、アムステルダムに行ったのにそこの美術館を訪れてなかったり、とてももったいないことをしてたんだということが分かった。また、訪れる理由ができたな、ということでラッキーだと思うことにしたい。
[PR]
by vamos_tokyo11 | 2012-12-09 23:14 |

『エネルギー論争の盲点』 石井彰

 エネルギーに対する歴史的洞察からの観点がわかりやすい。

4140883561エネルギー論争の盲点―天然ガスと分散化が日本を救う (NHK出版新書 356)
石井 彰
NHK出版 2011-07-07



 人類文明の歴史からエネルギー源と消費量がどのように変わってきたのかを考察し、そのようにまず全体を俯瞰してから各論に入っていく説明のしかたがわかりやすい。新書なのに中身が濃かった。

 興味深かったところをメモ。

p40
 人類は、加熱調理することにより、内臓に掛かっていた負担を軽減。その結果、摂取エネルギーを脳に回せるようになった。例としてタマゴは加熱により2倍も消化がよくなる。その結果として、
「人類は、外部エネルギーとしての火の利用によって身体的に「誕生」し、そこから長き荷わたる文明社会とエネルギーの関わりが始まった。」

p68
 石油がエネルギーのチャンピオンになった理由を説明。
 ポイントはエネルギー算出/投入比率
①重量、体積あたりのエネルギー量の多さ
 同体積・重量の石炭の2倍、同体積の水素の3000倍、天然ガスの1000倍
②使い勝手が良い
 常温常圧下で液体、揮発性も高くない、どんな容器でも貯蔵、輸送が可能
③石炭に比べて環境負荷が低い
 汚染物質排出が極めて低い、CO2でも2~3割低い
 1950年代の霧のロンドンの霧はスモッグのこと


p90
 エントロピーの説明
 例えてみると、エントロピーが低い状態(高効率・高密度)は部屋が片付いてきれいな状態、エントロピーが高い状態は部屋の中が散らかりまくりな状態。低→高の状態は自然に起こるが、高→低の状態は自然には起こらないというのが「エントロピー増大の法則(熱力学の第二法則)」

『エントロピーと秩序 - 熱力学第二法則への正体』(ピーター・アトキンス) 素人にも分かりやすいらしい
『混沌からの秩序』(プリゴジン) 散逸構造についての説明。歴史的名著らしい


p110
 電力業界資料のウソ。
 3.11以降、電力業界の話はほとんど信じられなくなったが、電力業界が指標として出している火力発電の指標は、石炭火力の従来式スチーム・ボイラ型の火力発電所の数値を掲載していることが多いらしい。既に標準化されているコンバインドサイクル発電のものであれば、1.5倍の発電効率で、同じ発電量の場合CO2排出量が3分の2にもなるそうだ。発電所の建設も必要面積がより小さく、期間もコストも低くてすむらしい。


p114
 あてにならない「カタログ性能」
 実際の太陽光発電の性能は、カタログ値=MAX値の11~12%程度らしい。これは、カタログ値が夏至の日の南中時の快晴の瞬間最大発電能力を表しており、朝夕、曇り、夜、雨天などを加味するとガクッと数値が落ちることを意味している。そりゃそうか。

 これとは別に、原子力はプルトニウムを再利用できると書いているけれども、プルトニウムだけで燃料棒が作れるわけでなく、廃棄するプルトニウムのほうが圧倒的に多いのであるから、あまりリサイクル能力を評価すべきではないと思う。他に廃棄の問題とか、最終処分の問題、など他の発電施設とは違う問題も出てくる。


p128
 ドイツが原発をやめたことについて
 ドイツの全発電量の42%はCO2発生量が最も多い石炭火力発電。もうひとつ見落としがちなのが、ドイツは近隣諸国から電力を輸入できる。原発発電大国のフランスからも輸入できるし、実際にしている。


p132
 再生可能エネルギーが救世主になると考えている人は、武田徹著『私たちはこうして原発大国を選んだ』の一読をオススメする。


 著者は天然ガスのコンバインドサイクル発電を推進すべきだと述べており、その背景として天然ガスの比較優位性を説明している。原発推進、原発ゼロの二元論に陥ることなく、しっかりと代替策を提言して、非常に説得力があった。エネルギー問題を考える上で良書であった。また、各章の終わりにある解説補足も非常に丁寧でわかりやすく、親切であった。
[PR]
by vamos_tokyo11 | 2012-12-08 02:08 |

『理系の子』 ジョディ・ダットン

4163750800理系の子―高校生科学オリンピックの青春
ジュディ ダットン Judy Dutton
文藝春秋 2012-03



 某所で勧められていて読んでみた。確かに面白かった。このお話は、サイエンス・フェアという全米+外国(日本も含まれている)から集まってくる高校生までの科学の自由研究の博覧会に出る少年少女の物語。11人の少年少女について生い立ちから研究に至るまでの過程を取材し、物語として非常に面白いものになっている。ショート ストーリーがたくさん詰め込まれている感じなのも飽きさせない要因。最後の2章ではサイエンス・フェアで取材した子たちがどういう結果であったのか、ということまでフォローされており、フェア後についてもフォローされていて、とてもすっきりした終わり方になっている。また、本の最後には特別寄稿として日本人でこのフェアに参加して、賞を獲得した女の子の体験談もある。これがまた非常に良かった。会の模様、自分の研究テーマの説明が、どのお話よりも分かりやすかった。

 すごく取材に時間がかかっただろうということが容易にわかるくらい、各個人のバックグラウンドや状況説明が丁寧になされている。だからこそ、物語として面白く仕上がっているのだろう。ただ、ちょっと残念だったのが、科学のお話なのに、その研究テーマが科学的にどうなのか、ということがあまり掘り下げられていないことが多く、またその研究テーマの結論がなんなのか、というところには焦点が当てられておらず、そのため、話を読むともどかしさもあったりする。まぁ、この著者が書きたかったことは、彼らのテーマの深堀ではないのだから、それは致し方ないのかもしれない。

 また、学校ではスポーツのスターがヒーロー(学校中でちやほやされる)になるのに、理系の子たちはなれない。でも、サイエンス・フェアで勝ち抜くような子たちは違う。学校でもスター扱いされるし、全米中でスター扱いされるんだよ、ということを紹介している。別にスポーツのヒーローを対極に置くような書き方をする必要は全くないんじゃないか、と思うくらいにどの話も面白いのだが、この辺は実にアメリカ的だと感じた。

 いずれにしても、この本はオススメ。科学の楽しさとか、何かを一生懸命突き詰めることの楽しさとか、そういうものが伝わってくる。
[PR]
by vamos_tokyo11 | 2012-12-06 23:34 |

『日本人の9割に英語はいらない』 成毛眞

 固め撃ち最後、第4弾。

439661392X日本人の9割に英語はいらない
成毛眞
祥伝社 2011-09-06



 先の『40歳の教科書』にもあるように、英語の勉強なんかすんじゃねぇ!という自論を細かに理由を挙げつつこれでもかと書き連ねている本。よく考えたらすげー変な本だな(笑)。現在の世の中の流れからすると、ある種極論な訳で、だからこそ面白かったりする。それにいちいち筋が通ってるし。例えば、ユニクロや楽天の社内公用語英語化の話なんかにも「日本人相手に仕事するのにその日本語を放棄するのは間違っている。マイクロソフトだって日本で仕事するからには日本語で話していた」というようなことを書いて超ダメ出ししている。

 紙幅を稼ぐためか「英語ができたからって学問ができるわけではない」なんて自明なことを書いてたり、「石川遼はデビューしてから英語を学んだに違いない」とか真偽が定かじゃないようなことを書いてたりと、そのあたりは読み飛ばせば十分なんで、このあたりは箸休めみたいなもんか。

 で、もはやお決まりというか様式美のようなのだが、オススメ本が載っている。やっぱり、話でもそうだけど、最後に自分の得意分野に引き釣りこむ、自分の土俵に相手をあげるというのは大事なわけで、ここでも興味が湧くオススメ本が載っていたのでメモしておく。


 『私たちが子どもだったころ、世界は戦争だった』
 これは英語の本は翻訳本(日本語)読めと主張しているところで例として挙げられていた本。この本自体が各国の言葉を話す人にインタビューされたものであり、日本版はその各国語を直接日本語に訳しているらしい。各国語の微妙なニュアンスまで再現されているので、英語版より優れてるよという意味。

 『ビジネス英語 類語使い分け辞典』
 英語を勉強するなと言いつつ最初に勧めている本。天邪鬼だが、ま、そういう書き方をする人だ。そして勧め方もうまい。この本は手元に欲しいと思った。「取り除く」という項では、remove, get rid of, eliminate, delete, erase, cut, とそれぞれの意味を具体的に解説いる。この本は使えそうだ。

 『その英語 ネイティブはカチンときます』
 一般英会話がビジネスの場で違う表現は日本と同じで、そのことを書いているようだ。もっとくだけた内容もあるみたいで、ここでは「あいづちを打つ」の項でプラスからマイナスまでの表現を7段階で表している。
 Oh I see, Oh I know, I see, Yeah, I know, I know that, Yes,yes
の順らしい。

 『ぼくらの頭脳の鍛え方』立花隆・佐藤優
 400冊の本を持ち寄って対談したという本らしい。立花隆の本の読み方を紹介しており、成毛さんも完全同意であった。英語を勉強するよりも本を読めということらしい。

 『特命全権大使 米欧回覧実記』 久米邦武
 明治4年に米欧を歴訪した岩倉使節団の旅行記で、久米は元佐賀藩士、後の帝国大学教授。現代語訳も読みやすく、ものすごく面白いらしい。気になる本だ・・・。

 他に面白そうだったのが『アルバニア・インターナショナル』と『なるほどそうだったのか!! パレスチナとイスラエル』なのだが、ともに書評で読んだ気になってしまい、まぁいいかという感じ。前者はアルバニアは鎖国が有名であり、そのおかげで国民が無知であり、ひどい事件が多数起きているという話で、後者はノルウェーが親イスラエルであり、イスラエルがその行動に出られるのは石油産出国(輸出国)であるからとのこと。


 で、この本を読んで、自分は英語の勉強についてどうしようと思ったかというと、現在のところ7:3で勉強しない気持ちに傾いている。実は、会社でまたTOEICを受験しなければならない。2年位前、会社がTOEICスコアを要求する方へ向かっていきそうだったので、集中的に勉強して結構いい点を獲ったのだが、今度は1年に1回は受験しろとかいうことになってきて、また受験しなければならなくなった。この1年半、全く英語の勉強をしてないので気乗りしないのだが、次のテストへむけて勉強すべきかどうか悩ましい。いまさらスコアがさらに上がったからといってなにかいいことがあるわけでもあるまいし、もしくは下がったからといって悪いことが起こるわけでもないだろうし、と。仕事でも全くと言っていいほど英語を使わないわけで、ほんとに使うようになったらそんときやれば間に合いそうだというのもある。まさに英語の勉強する時間があるなら他のこと(本読んだり別の勉強したり)に時間を使ったほうがよさそうだ。というわけで、この本に洗脳されかけているのである。
[PR]
by vamos_tokyo11 | 2012-12-05 23:38 |

『リンダリンダラバーソウル』 大槻ケンヂ

 めちゃくちゃ面白かった。バブル崩壊前後に起こったバンドブームのお話。

4101429278リンダリンダラバーソール (新潮文庫)
大槻 ケンヂ
新潮社 2006-08



 手元に読む本がなくなり、帰りに図書館へ寄ったところ、前にどこかで目にして気になっていたこの本を手に取った。「高木ブー伝説」のページを読んだら面白かったのでそのまま借りて読破。すごく勢いがあって、ちょっとした電車の待ち時間とかでもページを捲りたくなるくらい面白かった。

 お話は大槻ケンヂが筋肉少女帯でデビューする直前から、バンドを辞めるところまでと、そこから飛んで2000年頃までの話。バンドブームの喧騒の中で、将来に不安を抱えて学生生活を送っていたオーケンが、デビューして、その中でブームで生活が一変してから自分や周りのバンドに起こったことをおもしろおかしく、せつなく語っている。この頃、僕は洋楽メタルしか聴いてなかったけれど、よく耳にした曲・バンドの名前もたくさん出てくるし、イカ天はたまに見てたので、とにかく懐かしくて面白かった。

 特に最初の方のライブハウスで馬鹿なことばっかりやってるパフォーマンスの話とか秀逸。前半3分の1は飛ばしまくりで息つくヒマもない。当時の喧騒が脳内に溢れてくる。バブルって時代背景もあったんだろうね。真ん中の3分の1くらいはちょっと中だるみというか小休止というか、ジュンスカ、X、奥田民生、池田貴族、カブキロックス、ザ・ブルーハーツと、個人にスポットをあてて当時の話を書いており、小説的な流れが分断されて、コラムっぽくなってる。ここはちょっとなんかもったいない作りかな。でもネタ的には面白かった。最後の3分の1くらいはまたお話の流れが戻ってきて、きれいにクロージングしてくれる。芸能人の話なのに、なんかとても近くにいるような感じで、そばにいる人の話の様に読めたのは、この人の腕と人柄によるものなんだろう。

 筋肉少女帯って「ぼよよんロック」(これはキンショーじゃないらしい)と「イワンのバカ」しか知らなかったけれど、この本を読んだ後、キンショーの曲をyoutubeで見たら、曲がメタルしててかっこよかった。歌詞はよくわからんけど、それは洋楽だって一緒だからな(笑)。それ以上にこの本にたくさん出てきてタイトルにもなってるブルーハーツの曲をたくさんyoutubeで見て、とてもよかった。特に初期の素朴でストレートな感じは本にも出てくるとおりかっこよかった。

 大槻ケンヂは賢い。この本の中での大槻少年が大槻青年になる過程で思い悩みながらよく考えていることが表れていて、彼の芯みたいなものが伝わってくる。文庫本へのあとがきで、ネタばらしをしていて、この本を「栄光」→「喪失」→「迷走」→「信念」→「復活・または継続」という様式美とも呼ぶべきお約束のパターンにしたがって書いたと告白している。そのパターンは『ビッグ・ウェンズデー』をお手本にしたらしい。ハッピーで楽しかったってことを言いたかったのだから、バンドブームが苦しかったと誤解しないで欲しい、ロックって素晴らしいってことを感じて、みんなやりたいことをやって欲しい、と最後にあとがきで補足している。大槻ケンヂってすごいね。ほんと面白かったよ、この本。ロックって最高だな。
[PR]
by vamos_tokyo11 | 2012-12-03 23:29 |