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『自分のアタマで考えよう』 ちきりん

自分のアタマで考えよう自分のアタマで考えよう
ちきりん

ダイヤモンド社 2011-10-28




 考えることが大事だということ、知っていることと自分で考えることは別であること、どちらももちろん理解してよく分かっているつもりなんだけど、改めてそれについて整理された内容を読むと、まだまだ自分にとって足りないことがよくわかった。特に最近忙しさにかまけて流されることが多く、全然自分で考えることが少なくなっていることに気付かされた。とことん考え抜くこと。思考を追い詰めること。もっとやってみたい。

 それにしてもこの本は読み進め易かった。頭にすーっと入ってくる。自分が考えなしに読み進めているわけではないと思うのだが、論理的な進め方が完璧で、かつ章立ても流れがスムーズで読みやすかった。ここまで平易にわかりやすく論理的に書けるというのはすごい。


 本を読んで理解したことを忘れないように最後のまとめを記しておこう。
 中黒のところは個人的に補足したメモです。

まとめ ~ 「考える」って結局どうするの?

①いったん「知識」を分離すること
 ・知っていることと考えて出た結論とは全く別物

②「意思決定のプロセス」を決めること
 ・クライテリアを設定して判断基準を事前に持っておく
  そうしないといつまでも決まらない
 ・作業と思考は異なることを忘れない

③「なぜ?」「だからなんなの?」と問うこと
 ・その情報の持つ意味についてとことん考える
 ・Whyを積み重ねて掘り下げる

④あらゆる可能性を探ること
 ・シナリオ1だけでなく、他のシナリオも準備しておく
 ・構成要素に分解してあらゆる組み合わせを考える

⑤縦と横に並べて比較してみること
 ・時間軸(過去・現在・未来)で比較して考える
 ・同種(同業他社)を比較して考える
 ・この縦と横をマトリックスにして比較して考える
 ・プロセスの比較(eg.買収判断、料理手順)

⑥判断基準の取捨選択をすること
 ・判断基準が多いと決められない
 ・2×2のマトリックスで考えてみる
 ・判断基準を絞ることで本質が浮かび上がる

⑦レベルをごっちゃにしないこと
 ・議論のレベル(ベース)を揃えてからスタートする
 ・レベルをずらして議論をごまかしてくる詭弁論者に注意する

⑧自分独自の「フィルター」を見つけること
 ・他人(一般)の価値観ではなく自分にとって何が重要化を考え抜く
 ・自分のフィルターは選択に失敗したことによって気付くこともある

⑨データはトコトン追いかけること
 ・「自殺統計」は考えることの良い材料=自殺の原因がハッキリしていないから
 ・見えている情報だけで判断せずに他に切り口がないか考える

⑩視覚化で思考を進化させること
 ・グラフの使い方で「思考の生産性」が左右される
 ・棒グラフを階段グラフにするとプラス・マイナスと変化が一目瞭然
 ・思考を視覚化するためには言語化するよりも突き詰めて考える必要がある

⑪知識は「思考の棚」に整理すること
 ・思考をマトリックスに整理しておく。そのとき空欄があってよい
 ・これは自分の知りたいことが常に準備されている状態
 ・そうすれば必要な情報に触れたときにすぐ気づくことができる


ところで、このメモを書くためにAmazonの書評を読んだらえらい叩かれようだった。
曰く、この本で言っていることは考えていることではない、というものだ。私にはよく理解できない書評だった。枠組み(フレームワーク)を提供してそれで考えることのどこに問題があるのだろうか。ひとつの方法を提供しているだけであって、それ以外のものを著者は何一つ否定していないのだが。。。まさか著者の考えることのすべてがこの本だけで満たされていると思っているわけではないと思うのだが、不思議と批判的な書評が多かったのがびっくりだった。批判している人たちはひとつの本で得るものに期待が大きすぎるのかもしれない。いずれにしても自分にとってはそれなりに有意義な本だった。
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by vamos_tokyo11 | 2013-02-23 19:56 |

『空とぶタイヤ』 池井戸潤

 これはめちゃくちゃ面白かった!

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  『下町ロケット』が面白かったので池井戸潤の作品を読んで見ようと思って手にとった。読み終わった後、文庫本下巻のあとがき(大沢在昌という贅沢さ)で知ったのだが直木賞候補作だったそうで、それも納得のできだった。『下町ロケット』のときも感じたのだが、この人は人物の描き方にリアリティがある。いろんな立場の登場人物が出てくるのだが、その人たちそれぞれが、その人生が浮かび上がるような描き方をしていて、キャラが自然で納得感があるのだ。その職業としてのふるまい、仕事上の立場としてのふるまい、父・夫としてのふるまい、敵対するような立場の人物が多数出てくるのだが、それぞれのキャラクターに矛盾がなく納得感がある。主人公は運送屋の社長だが、そこに自動車会社、刑事、銀行員(著者は元銀行員なので職業としてのリアリティがすごい)、がそれぞれの論理で動く。ここの描き方が巧みであるので、話が魅力的になっていく。

 それでもリアリティがあるだけではお話として面白くならないわけで、エンターテインメントとして悪者を徹底的に悪くしたりして、最終的にすっきり気持ちよく読み終わって、「あー、楽しかった!」という感覚にしてくれる。映像が浮かび上がるようで、本を読み終わったときにはまるで映画を見終わって、映画館を出るときのような余韻に浸れる。

 ところで、タイヤが飛んで母子殺傷事件が起きる、というのは三菱ふそうトラックのあの事件そのものなのだが、話の中身はまったくのフィクションだそうだ。それを知らずに読むと、こんな経緯があったのかと思ってしまうのだが、どうもそうではないらしい。三菱銀行で働いていた著者は、その銀行(明らかにそれとわかる設定)をだいぶ辛らつに描いている。『下町ロケット』のときも三菱重工っぽいところが悪者になっていたし、この話でもグループのことを辛らつにこき下ろしている。内部事情を知ってるだけに三菱グループが嫌いなのかもしれないな(笑)。
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by vamos_tokyo11 | 2013-02-10 02:39 |

『シンデレラの罠』 セバスチャン・ジャプリゾ

4488142060シンデレラの罠【新訳版】 (創元推理文庫)
セバスチャン・ジャプリゾ 平岡 敦
東京創元社 2012-02-28



あとがきによればオールタイム推理小説で必ずベスト○○に入ってくるような名著だそうだ。
古い本なのだが2012年に新訳が出たとかで某所でおすすめされていたので読んでみた。

さすがに面白かった。
宣伝文句も刺激的だ。

「私がこれから物語る事件は巧妙にしくまれた殺人事件です/私はその事件で探偵です/また証人です/また被害者です/そのうえ犯人なのです/私は四人全部なのです/いったい私は何者でしょう」


でも、あとがきに書かれているようなマニアックな読み方はしなかったし、したいとも思わなかったし、訳者のような思い入れもない。それでもそれなりに面白い。推理小説というかミステリーというものをあんまり読んだことがなかったけど、まぁこんなものなのかな。

というわけで、今年の本の選択についてはまだ実行できてないなぁ。。
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by vamos_tokyo11 | 2013-02-10 02:30 |

2012年の本の振り返りと2013年のスタンス

 今更ながら、なのだがこれやっとかないと気持ち悪いな、と思ったので2012年に読んだ本の振り返り(反省)と2013年にやっていきたいことを整理しておこうと思う。それしても、最近、平日は自分の時間が全然とれず、土日も子どもたち中心の生活を送っているとまとまってPCに向かう時間がとれない。おまけに録りだめしたテレビ番組も全然見れてない。かろうじて年末年始のお笑い番組は見終わったが、その後に録画したものの中で見れたのはNHKスペシャルのダイオウイカといくつかの番組くらいかな。「宇宙兄弟」は毎週見れてるけど。そんなわけで年末から整理しようと思っていた振り返りがこんな時期になってしまった。


■少ない本の数

 ブログに書いた本の数が37冊(2012年に読んだ本ということで1/21エントリの『ゴーストタウン』からカウント)。シリーズものは『不毛地帯』だけなので合計でも40冊程度しか読んでいない。なんと少ない!これは、3月だか4月だかの1ヶ月~2ヶ月くらいに会社で読まなければならない本(人事関連)を渡され、貴重な通勤読書時間が侵されてしまったのが原因のひとつ。強制的に読まされる教科書的な本は苦痛で、かつ電車の中ですぐに睡眠に誘ってくれたので、なかなか読み進まなかったのが敗因。その他、少なくなる要因は特に思いあたらない。37冊の中には「読んだ」といえないような斜め読みの本が2・3あるので、実態としてはさらに少ないということになる。実質11ヵ月で35タイトル程度と考えると、だいたい月に3冊程度読んでいるという計算になる。週に1冊いかない程度だ。通勤の行き帰りが読書タイムなのでだいたいあってる。


■読んだ本の傾向

 今年は読んだ本の「あたり」「はずれ」がちょっと大きかった。少ない貴重な時間を使って読むのだから(しかも私は読むのが遅い)本来は厳選して本にあたらなければならないと思うのだが、ちょっと行き当たりばったりの面が強かったように思う。それでも、今振り返ってみて「これは読んでよかったな」というのを数えたら21冊。3分の2くらいは的に当たってるということになる。いや、60~70%の当たりではちょっと低い。もう少し当たりを増やしたい。今振り返ってタイトルを眺めると、当時は読んで「なるほど」とか思っていたものでも、今振り返るとまったくそう思わなかったりするのもあるのが面白い。新書のような知識や政治情勢みたいなものは、びっくりするほど心に残らないのだ。知識・情報を得るという行為は、今の自分にとって「読書に求めるもの」ではないのかもしれない。


■はずれの分析

 昨年はWebで見かけて自分に合いそうだなという本を読んだりすることが多かった。特に終盤は成毛眞祭りになっていたように、あの人の薦める本を結構手に取った。文章がうまいからめちゃくちゃ面白そうに思えるのだ。実際面白い本も多いのだが、自分と完全一致するわけではないので(当たり前だ)、そのあたりの割引方が難しい。
それから政治や経済の新書は振り返りに弱いというか、旬を逃がすと意味が変わってくる。面白そうだから、と手に取るのはやめたほうがよさそうだ。政経ではないが、ブログに書かなかったが『下山の思想』なんて、言いたいことはわかるけど、もう暗すぎて嫌になる感じだった。別に思想というほどのものじゃなかったし(タイトルにだまされた)、老人の視点だから仕方がないのかもしれないが、こんな本がなんでこんなに売れてんのかと思ったな。新書は要注意。



■今年の方針

 ということで今年は以下の様にしたい。

【目標】
 あとから振り返って「読んでよかったな」「心に残ってるな」という本を増やす


【戦略】
 そのために、以下の方針・判断基準を持っていく

 ・小説を増やす
   池上彰の『伝える力』にあったように「表現力や文章構造を鍛え、人生の勉強になる」
   つまり、あとから振り返って読んで良かったと思えるもの、心に残るであろうもの、に近づける

 ・知識を得るための本を減らす
   知識を得るものは特定の興味の強いテーマで深堀する必要のあるものなどに限定する
   どうしても自分が知りたいこと、知っておかなければならないことに限定する

 ・ビジネス書はよほどのものでない限り手に取らない
   知識習得ではなく自分で考え抜く方向へ舵を切るためにも(いまさらだけど)、
   それを読んで何ができるかをよく吟味した上で読むことにする



■最後に2012年の自分的ベスト

 読んでよかったなと思える少ない本の中から上位10点。
 3位以下はジャンルも違うし差はなし。


 1位 『とんび』
  最近民放でもドラマをやってる。1話だけ少し見たけど、かなり忠実に描写してる感じだった。
  たまたまこの本に出合えてほんとにラッキーだった。
  子どもがもう少し大きくなったらまた読みたいと思う。

 2位 『下町ロケット』
  池井戸潤、うまいですね。人の描き方がそれぞれキャラがしっかりしてて、善人悪人でくくらず、
  実に人間の葛藤がうまく描かれてて、すごく共感できる。
  ストーリーも最高だし、後半の加速度はすごかった。

 次点 
  『フェルメール 光の王国』 ・・・ 旅と絵とミステリーが楽しく美しい
  『理系の子』 ・・・ BS1のノンフィクションを見てるみたい
  『リンダリンダラバーソウル』 ・・・ ノンフィクション小説、青春
  『ハックルベリィ・フィンの冒険』 ・・・ 読んでよかった。心に残る
  『不毛地帯』 ・・・ 知っておくべきことが小説ながらも書かれている
  『故郷忘じがたく候』 ・・・ 司馬遼太郎ですから。。
  『人間失格・桜桃』 『斜陽』  ・・・ 読んでよかった。心に残る(重い)。
  『俺のトーキョー! FC東京ラブストーリー』 ・・・ ま、コメントはいらないでしょう。ムラバ減俸だろ(いないか(笑))。
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by vamos_tokyo11 | 2013-02-02 03:48 |