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グループE(1st) 日本×カメルーン

 偉大な一勝。

6月14日(月) 2010FIFAワールドカップ南アフリカ
日本 1 - 0 カメルーン (23:00/フリーステートスタジアム/30,620人)
得点者:39' 本田圭佑(日本)

 ぶかっこうと言われようが偉大な一勝だ。1998年にも2006年にも成し遂げられなかった勝利を得た。初戦はむずかしい。カメルーンもそれは一緒。カメルーンが弱かったのかもしれない(ソングが出なかったのは大きかった)。しかしこの世界は勝ってなんぼ。勝たなければ何もおきない。勝つからこそ2戦目以降に大きな意味を見いだせる。3つ負けろといったライターもいたが、負けても何も変わらないのはこの4年間で経験済みだ。

 岡田監督は2月の東アジア選手権での惨敗からセルビア戦、韓国戦と国内のテストマッチを惨敗、得点0で日本を発った。そこから1か月、これまでの前へ詰めて奪って、ショートパスの連続で相手を崩すという理想の姿はなくなった。まるでマリノス時代に見られた理想主義から放り込み現実主義へ戻っていったのと同じように、守れる選手でスタメンを固めた。試合前の予想布陣から本田の1トップだったが、そのスタメンを聞いても、本田が1トップということが信じられなかった(大久保がトップなんじゃないかと思っていた)。親善試合の間に「これまで築いてきたものが崩れた」という選手もいたらしい。実際違うサッカースタイルになって批判もされていた。試合の日の昼に、会社で「鈴木隆之みたいなFWがいればねぇ」などと話していたのだが、今になって思えば、岡田監督も同じようなことを思い、体の強い本田に1トップを任せたのかもしれない。そして、岡田監督は掛けに勝った。親善試合の連敗によってチームに反発する一体感が生まれていたのかもしれない。

 フィジカルコンディションの調整も素晴らしかった。大久保、松井に見られるアグレッシブさは、高地順化を含めた体調管理がうまくいったことの証で、大会前2試合を含めた調整が見事であったということだろう。それから中澤・田中マルクスの2CBのハイボールへの対応もほとんど相手に勝っていた。高さで勝ったこともおどろきだったが、90分間跳ね返し続けたということがすごい。これもコンディション調整の賜物だろう。

 スタッツだけ見ればどっちが勝ったかわからないようなものだが、勝てばいいのだ。この世界は勝ってなんぼ。勝ち続けてこそ、自分たちのスタイルを試みることもできる。

 オランダ戦が本当に楽しみになった。昨年の対戦のように前から行けばそれなりにボールも奪えるかもしれないし、チャンスも作れるかもしれない。カメルーン戦のように攻撃は前の3人に任せてしまう方法をとるかもしれない。勝ったチームは変えるなという言われ方もするが、岡田監督がどういう戦術をとってくるか楽しみだ。先に失点しても3戦目まで見据えた試合の作り方、采配・戦術を期待したい。
by vamos_tokyo11 | 2010-06-17 23:16 | 2010 ワールドカップ


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