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ACL第5節 FC東京×ブリスベン グループステージ突破!

 雨の中FC東京ポンチョで観戦。靴と靴下がぐちょぐちょ。靴の準備が疎かだったな(笑)。

5月2日(水) AFCチャンピオンズリーグ2012
FC東京 4 - 2 ブリスベン (19:30/国立/8,492人)
得点者:4' ベザート ベリシャ(ブリスベン)、5' 高橋 秀人(FC東京)、20' 椋原 健太(FC東京)、33' トーマス ブロイヒ(ブリスベン)、44' 渡邉 千真(FC東京)、60' 渡邉 千真(FC東京)


 東京はこの試合に引き分け以上でグループステージ突破。Rd16が一発勝負で、1位抜けしないとホームでゲームができないらしいので、きっちり勝ってグループ最終の蔚山戦に臨みたいところ。

 前節の清水戦の記憶が生々しいまま迎えた試合。ACL初戦のAwayブリスベン戦では相手を圧倒。それだけに前節の記憶がありつつも、いけるんじゃないか、という試合前の気持ち。選手も油断することなく試合に入れていたと思う。でも試合の内容は前半からびっくりする展開だった。試合の詳細はオフィシャルにもあるので印象的だったところだけメモを。


 まず東京の1点目について。先制された直後のキックオフからボールを奪われずに得点。右サイドで簡単に縦に抜けられたのは相手の守備の問題だと思うのだが、それよりもゴールしたあとの秀人のガッツポーズ。あそこにこの試合に掛ける気持ちが現れてる気がした。2試合連続の不甲斐ない内容と結果、点が取れてなかった状況、そしてコメントにあるような彼自身の気持ち。いろいろ詰まっているなかでしっかり叩き込んだプレーに感動した。

 次に2点目。アーリアのドリブル突破でほとんど決まったようなものだったが、なぜ椋原があそこまで上がってこれていたか。シュートを落ち着いてコースを狙って撃てたことはもちろん素晴らしいのだが、あの位置まで詰めていたという準備段階が素晴らしい。ゴールとなるボールは、権田→秀人→アーリアとつながり、アーリアがドリブルで3人ほど交わしていったもの。椋原は秀人にボールが入った時点で前に動き出し、アーリアのドリブルに合わせて進み、アーリアが右に捌いたところから全速力で上がっていく。実にピッチの端から端まで長駆した結果のプレーだった。彼自身もこの試合に掛ける気持ちは相当だったろうし、こうやって準備してきた選手が活躍してくれるのは本当に嬉しい。大竹や草民が北京戦で結果を出した後仙台戦にスタメン起用されたように、椋原も次の新潟戦にスタメンで出て欲しいと思う。

 それからブリスベンの2点目。森重にコースを消されていてもシュートを撃ち、こぼれたところをもう一度シュートするトーマス・ブロイヒ。この姿勢は東京の選手も見習って欲しい。シュートを撃つから何かが起こるし、またチャンスが転がってくる。この日は試合前の「シュート撃て」コールが効いたのかわからないが、ゴール前で逡巡するようなプレーはなかったが、リーグ戦でもゴール前で責任回避するようなプレーはやめてもらいたい。

 プレー全体ではブリスベンはとても組し易い相手だった。頑なにボールをつないでくるサッカー、といえば聞こえはいいが、悪く言えば単調なサッカーだった。相手が前からくるのであれば蹴って中を飛ばしていくこともアリだと思うのだが、そういうことをしてこなかった。ブリスベンの監督はそれを誇っているようだが、サッカーはスポーツであってアートではないのだから、負けてそれを主張するのは無策を自ら喧伝しているようなものじゃないかな。とはいえ、国内リーグでは2連覇を果たしているみたいなので来年もACLに出場してくるらしい。ちなみにこちらによれば監督が代わるらしい。

 ブリスベンの戦術については、いまいち理解に苦しむが、選手たちのクリーンプレーぶりには清々しいものを感じた。決してラフプレーには走らず、試合が終わった後も東京の選手とすぐさま握手をして健闘を称えあい、最後にはピッチを周って東京サポに挨拶までしてくれた。我々が勝ったからこそ、というのものあるが「ブリスベン」コールが起こったのも自然だったと思う。イングランド的な気風を受け継いでいるからなのか、ラグビーの国だからなのか、非常に紳士的なチームだった。

 さらなる驚きはブリスベンサポーター。試合後に千駄ヶ谷門の前までやってきて歌い、東京サポと握手やハグをしたり、記念撮影をしたり、心の底からACLにまつわる旅を楽しんでるのが伝わってきた(僕も握手して、ぐしょぐしょに濡れた男にハグされた(笑))。負けてもGL敗退が決まってもほがらかに明るくおおらかに楽しめるブリスベンサポに敬服したし、そんなメンタリティを身につけられたら、サポーター稼業は楽しみ以外の何ものでもなくなるだろうな。なんか忘れてたものを思い出させてくれたような気がした。

 次は蔚山で引き分け以上でRd16が東京開催が決まるみたいだが、まずは次のリーグ戦。清水の嫌な思いを忘れさせてくれて選手には感謝だけど、J1の厳しさは間違いなく今日以上だし、リーグの借りはリーグで返すしかない。相手は中2日、こっちは中3日になるわけだから良い内容を期待したい。

 うまい酒飲めてよかった!


 雨中ですばらしい攻撃サッカーを披露したFC東京 (後藤健生)

 動画
by vamos_tokyo11 | 2012-05-04 02:42 | FC東京


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