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『働かないって、ワクワクしない?』 アーニー・J. ゼリンスキー

 ドロップアウトしてお気楽に過ごすことを夢見て読んだらイイ意味で裏切られた(笑)。

4899760647働かないって、ワクワクしない?
アーニー・J. ゼリンスキー Ernie J. Zelinski
ヴォイス 2003-09-01



 どっかで薦められてて読んだ。確かに良かったのだが、全然題名と表紙の緩さと中身が違ってて、なんか売り方間違ってないかと心配してしまうほど。アザラシがメガネ掛けて温泉入ってて、「働かないってワクワク」なんてタイトルつけといてなんなんすかこれ。「ダウンシフター」なる単語もイマイチだよな。

 超要約すると、自分のほんとにやりたいことをよく考えなよ。自分のやりたいこと、生き方に正直になって、今の仕事が嫌ならやめちゃいなよ。辞めれなくても自分に素直に生きていきなよ。自己目的のためにも一生懸命考えに考え抜いて、その自由のために一生懸命頑張りなよ、ってな感じの本だ。

 最初のほうはとにかく「おまえのやりたいのは今のそんな仕事なのか」「会社でへーこらしてるのが本当にやりたいことなのか」「自分の人生にウソをついてないか」「会社がいやなら即やめてしまえ。子どもや家族がいるからなんて言い訳してるんじゃねぇ」ってな感じの煽り気味の文句がならぶ。一度しかない人生なんだから経済的にマイナスになっても本当にやりたいことやらないと幸せにならないよというような感じ。まぁある意味正論。

 そう、この本は幸せとはなんじゃらほいの本なのだ。何のために生きてんの?やりたいことがあるんでしょ?じゃあいつやんの?いまでしょ!?という。味スタに割りと近いところに住んでいて、でも毎日の通勤は遠くて人生の大事な時間を無駄にしているような気がするよな、というような私にしてみれば魅力的な話に聞こえてくるわけだ。

 ところが後半からは現実的な記述の一面も出てくる。満足感や幸福感を得るのは自分の心構え次第であることや(足るを知るということだろな)、人生の一瞬はまさに今しかないのだから余計なことを考えずに今の一瞬を生きよ、という禅の教えを説いていたり、バカの箱であるテレビなんか見てないで(録りためたお笑い番組見てるなぁ)能動的な行動に時間を掛けよと説いてみたり、とても真っ当なことを述べているのである。極めて普通のことを普通にまっすぐ語っている。

 父親の寿命を考えるとあと30年もこの世にいられないとか、引退を65歳とすると自由時間はほとんどない、とか考えていると空恐ろしくなってしまうわけだ。特にいま仕事が忙しくて残業の日々だからなおさらそう思うのだ。この本を読んですぐに答えが出るわけではないけれど、よく考えるためのきっかけを与えてくれた素晴らしい本だった。忙しい毎日で、ここのところ流されている感があったので考え直すための良い機会を与えてもらった。自分の人生・幸福を考えるのは自分以外にありえないという当たり前のことを改めて考えさせられた。そして、この機会を活かさなければならない。


メモ:まずはやりたいことのリスト書き出してみる

 自由時間のアイデアツリー(マインドマップ的に記述する)
  ・現在夢中になっている活動
  ・以前夢中になっていた活動
  ・したいと考えている新しい活動
  ・積極的にやってみたいと考えている活動(eg.健康を維持するための活動)
 これらについて50個以上のアイデアを出す


この本、今月に入って新書が出ているようだ。きっと地味に売れているんだろう。
by vamos_tokyo11 | 2013-03-06 22:14 |


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