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博実復帰、ジャーン退団、浦和優勝に思う。


 浦和がうらやましかった。

 ガンバが先制すれば面白いな、と思いつつ、やじうま気分でテレビで見てたが、試合は一瞬オモシロソウになった後、やじうまにはツマラナイ展開になった。感動したのは試合の後だ。J創設の頃の弱さを思い、ここまで来た浦和の姿を見て、実はかなり感動した。

 うらやましく思ったのは優勝したからではない。浦和が初タイトルでナビスコ杯を獲ったとき、僕は国立で一人で観ていたけど、よかったね、とは思っても全くうらやましくなかった。むしろ悔しかった。今回うらやましかったのは、全員が同じ方向を向き、この目標へ向かっていたことがテレビを通してスタジアムから感じ取れたことだ。そしてみんながさらに先を見ていること。浦和の社長以下、監督、コーチ、スタッフ、選手、クラブ職員、そしてサポータ。彼らは同じ方向へ、全員が向かっているように見える。あの優勝後のスタジアムを見て、そう思った。


 「強く愛されるチームを目指して」

 東京にもみんなが同じ方へ向ける立派なスローガンがある。愛されてると思う。都内の人口が多い、ということは、かなりのプラスの材料だけれども、観客動員数では成功していると言っていいだろう。この成績であっても多くの人がスタジアムへ足を運んでいるのだから。

 しかし、その観客動員数は頭打ちの感がある。なぜか?「強く」ないからだ。僕らのようにどっぷりハマっている面々は、ぐだぐだ言いながらもスタジアムへ通う。しかし、東京を知らない人たちや、瞬間的に興味を持った人たちをチームへ釘付けにするには、強くなければならない。もしくは試合で感動させなければならない。


 東京はみんな同じ方向を向いているのだろうか?

 茂庭と並ぶ双璧のジャーン。彼らを超えるディフェンダーは育っていない。しかし怪我の具合が相当悪いのか、ジャーンは今期限りとなってしまった。でも、来期も日本でプレーしたいと言っているのだから、来年の春には彼も十分に闘える体になっていることだろう。

 今年の監督人事の迷走。何を目指そうとしたか曖昧なままスタートした(ように見えた)。チーム初の外国人監督は、去年までの土台とかみ合わないまま去って行った。そして昨年までの路線に戻った。さらに来期、博実が戻ってくることが本日発表された。

 ファンだから、サポータだから当然応援する。

 でも、そんな簡単に切り替える必要はない。ゆっくり考えてみるべきだ。みんなどんなチームにしたいんだろう?僕はやはりチームは強くなければならない、と思う。調布という小さな町の地方クラブに甘んじることなど望んでいない。フットボールクラブである限り、勝利を目指すのは自明であり、そうでなければスタジアムへも通わない。やっぱりリーグで優勝して、その上の次元を覗いてみたい。観客動員数だって、自ずと上昇するだろう。さらには僕らだって、もっと人を呼びやすくなる。

 チームを強くする、この一点にみんなの気持ちは向いているのか?
 絵を描き、舵を切り、チームを育んでいく立場にいる人たちは、どこを向いているのか?

 継続は力なり。クラブの方向性は継続していかなければならない。僕が書くようなことではなく、これも自明だ。西部謙司さんが見事に書いている。少し長いが引用させていただく。

犬の生活(スポナビ)
(前略)中小クラブが大きく飛躍した例だってたくさんあるのだ。もちろん1年では無理だが、10年かければ効果は出せる。10年で足りなければ20年やればいいだけの話。実際に、フランスのリヨンは20年かけてものすごく強くなった。20年前、まだ2部にいたころ、新任のオラス会長が「ヨーロッパのリヨン」を唱え、1部復帰とヨーロッパカップ戦出場を目標に掲げたとき、何人が本気にしただろう。それがいまでは、レアル・マドリーに負けたことがないというチームになった。フランスリーグは6連覇確実、チャンピオンズリーグも2季連続のベスト8。オラス会長は、1年で1部に上げてからは約20年で7人しか監督を使っておらず、途中で解任したのも1人だけだった。(後略)

 肝心なのは続けること。大きなクラブのように何度もやり直す余裕はない。毎年やり直していたら、中小クラブはいつまでたっても上には行けない。その点、祖母井GMを中心に10年続けてきた成果の1つが、ナビスコ連覇だったと思う。


 最後になりましたが、浦和の皆様、優勝おめでとうございます。ACLでの「俺たちにAwayはない」を楽しみにしています。ほんとうですよ!
by vamos_tokyo11 | 2006-12-06 00:26 | FC東京


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