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北京五輪 日本×オランダ 監督問題は重い

 BS朝日で夜中に録画観戦。参加した五輪サッカーでの全敗は初のことらしい。

8月13日(水) 北京五輪 男子グループB
U23日本 0 - 1 U23オランダ (18:00/瀋陽/38,790人)
得点者:73' シボン(U23オランダ)

 オランダは勝たなければグループリーグ敗退。日本は試合前にグループリーグ敗退決定していた。この状況でどちらが試合をしやすいかは自明。日本は何も失うものがなにもない。頭から全力でのプレーだった。


■前半。攻撃は形にならず

 前半最初から1試合通してのペース配分など考えずに全員が勤勉に走り回るサッカー。オランダと個の差があることを自覚したプレーだったのかもしれない。そのおかげで相手にチャンスをほとんど作らせなかった。オランダのカウンターになりそうになってもすぐに2・3人で囲い込んで効果的な守備をしていた。

 だが攻撃のチャンスが構築できないのは日本も一緒。ゴール前近くまではなんとかもっていけるが、決定的なプレーになるその1つ2つ前のプレーで必ずミス(パスミスや判断ミス)があった。 




■このオランダ相手なら引き分けの可能性はあった

 後半も結局前半と同じ様な展開だったが、出足が一歩ずつ遅くなったせいか日本のプレスが徐々に緩くなり、だいぶオランダに押し込まれることが多くなった。ただしこれは力の差と時間帯を考えれば想定内だろう。結局右サイドをドリブルで切り裂いたバベルをボックス内で本田が倒しPK。全く仕事をさせていなかったシボンにこれを決められた。結局オランダがこれを守りきるという試合だった。

 オランダはこの間のEUROロシア戦で見たときと同じでCBのマークが甘かった。そういうディフェンスの仕方なんだろうけど、割りとFWへのボールが入りやすかったので、あの辺りをもっと有効に突ければいいのにと思いながら見ていた。豊田が左右のスペースに走ってボールをもらい、2列目・3列目から飛び込んでくる選手へ供給、というようなプレーがもっとあってもよかった。3バックだったのも試合がしやすかった理由かもしれない。

 FC東京のふたりはフル出場。梶山は後半に右足でシュートフェイント、左足でゴール左へ大きく逸れるシュートというのがあった。結局左足だとほとんどチャンスにならないので右足に拘ってプレーして欲しかった。アメリカ戦よりらしさは出てた。長友はダービッツみたいなドレッドのグズマンと対峙していたが結構やれてたので(左足のクロスはまだしょぼいし、相手に引っ掛けてたが)自信になったかもしれない。


■でも結局点が獲れない

 多少善戦に見えたのは芝が悪かったせいもあるだろう。オランダサッカーというと速いパスワークのイメージがあるが、あの芝ではそれも無理。日本よりもオランダの攻撃に悪く影響した気がする。そのぶん走ってプレッシャーを掛け続ける日本のサッカーはスマートではなくとも効果的だった(守備においては)。

 五輪サッカーについて水沼さんが日経に感想(批評というよりは感想に近い感じ)を書いていて面白いのだが(オランダ戦については明日あたり書かれるかもしれない)、ナイジェリア戦のあと、ナイジェリアが見せた日本戦での1点目について、集中力と圧力、真ん中へのこだわりを日本も見習わないと、というようなことが書いてあった。

 オランダ戦は失うものがなかっただけに、強引にいくところやリスクを冒すところがあってそういうプレーが多少あったように思う。結局これが1試合目からできるのかどうかが問題であって、決して反町監督の言う「ゴール前での確信を持った思い切り」だけが問題ではない。選手だけの問題でないのは明らかで、もっともくみしやすいと思われた初戦のアメリカ相手にオランダ戦で見せたようなプレーをさせてやれなかった監督の責任は重大だと思うのだ。僕がこれを書くときに念頭に浮かべるのはオシム爺のサッカーだ。爺ちゃんが五輪の監督だったなら、例え3戦全敗したとしてもやるだけやったと言えるような展開になっていたのではないかと思うし、それを考えると経験不足は決して選手だけの問題ではないと思わずにいられない。
by vamos_tokyo11 | 2008-08-14 15:18 | 2008 北京五輪


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